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 印刷 2020年10月29日デイリー版1面

日本郵船、世界初デジタル船認証。LNG焚き自動車船、環境・デジタルで差別化

環境とデジタルを推進し顧客ニーズに応える
環境とデジタルを推進し顧客ニーズに応える

 日本郵船は28日、LNG(液化天然ガス)を主燃料とする自動車専用船「SAKURA LEADER」の引き渡しを受けたと発表した。同船は国内初の大型LNG燃料船で、従来型船舶と比べて輸送単位当たりのCO2(二酸化炭素)排出量を約40%改善した。日本海事協会(NK)から先進的なデジタル技術を採用した船舶として、世界初の認証も取得した。日本郵船は環境とデジタルに先進的に取り組み、顧客ニーズに対応する。

 日本郵船は28日に、新来島どっくグループの新来島豊橋造船(愛知県豊橋市)で、7000台積みの次世代型環境対応船「SAKURA LEADER」の引き渡しを受けた。竣工後はトヨタ自動車向けなどの完成車輸送に投入する。

 同船はLNG燃料化と船型改良などにより、重油焚(だ)き機関の従来型船と比べてCO2排出量を大幅に削減。SOX(硫黄酸化物)も約99%、NOX(窒素酸化物)も約86%それぞれ排出量を減らすことができる。

 日本郵船はLNG燃料を将来的なゼロエミッション船を実現するまでのブリッジソリューションの一つと位置付けている。

 今後約10年間は、新造する自動車船すべてをLNG燃料船とする計画だ。2030年代半ばごろからは水素やアンモニアなど、より環境負荷の低い燃料への切り替えを目指す。

 日本郵船は、本船がNKから船級符号(ノーテーション)にデジタルスマートシップ(DSS)の付与を受けたことも併せて発表した。NKがDSSを付与するのは初めて。

 NKは今年8月に、デジタル技術の活用によるイノベーションを対象とした新たな認証サービスの一環として、先進的なデジタル技術を備えた船舶へのノーテーションについて定めた「デジタルスマートシップガイドライン」を発行した。

 NKは「SAKURA LEADER」が同ガイドラインに適合しているかどうかを検証。エネルギー消費効率の分析機能、機関モニタリング、船上でのデータ処理と陸上へのデータ送信の3つのDSSを付記した船級証書を発行した。

 日本郵船は本船の運航状態や燃費、機器の状態などのデータを船陸間でタイムリーに共有するためのシステム「SIMS」を開発。SIMSで取得した運航データを活用し、最適運航や安全運航を実現するアプリケーション「LIVE for Shipmanager」も実用化するなど、船舶のデジタライゼーションを推進してきた。それら取り組みを生かしDSSを取得した。