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 印刷 2020年10月28日デイリー版2面

GHG削減へ日中韓がしのぎ。新技術の研究開発進む

 社会全体での温室効果ガス(GHG)排出量の大幅な削減が求められる中、日中韓3カ国の海事産業が低炭素社会の実現に向けてしのぎを削っている。現在、次世代のクリーンエネルギーとして注目を集めるアンモニアを燃料とした船舶や、LNG(液化天然ガス)を使用する浮体式発電設備の設計、建設作業に造船技術が必要な洋上風力発電の浮体開発などに取り組んでおり、環境に対応した技術の研究開発が進む。

 中国船舶集団(CSSC)傘下の江南造船は26日、世界で初めてアンモニア燃料VLGC(大型LPG〈液化石油ガス〉船)を開発し、英船級協会ロイド・レジスター(LR)から基本設計承認(AiP)を取得したと発表した。同社はアンモニア燃料LPG船が実現した場合、CO2(二酸化炭素)やSOX(硫黄酸化物)の排出量を効果的に削減することができるとしている。

 CSSCとLRは昨年12月、IMO(国際海事機関)が目標としている2050年までのGHG排出量50%削減(08年比)を実現するため、ゼロ・エミッション船を開発することなどを盛り込んだ覚書(MOU)を締結している。

 韓国では27日、大宇造船海洋が電力と天然ガスを同時に供給することができる複合エネルギー供給設備として、浮体式発電設備LNGカーゴハンドリングシステム(FSPP・LNG・CHS)のAiPを米国船級協会(ABS)から取得したと発表した。

 今回開発した複合エネルギー供給設備は、最大200メガワットの電力を生産するだけでなく、約2万2000立方メートルの天然ガスを貯蔵し、陸上に直接供給できる新概念の複合プラントとなっている。

 19日にはサムスン重工業が欧州船級協会DNV―GLと、浮体式洋上風力発電の下部構造物を共同開発することを明らかにした。両社は浮体式構造物の要素技術と、デジタルツイン(仮想空間に再現した複製)による洋上風力リモートメンテナンス技術などの実用化を目指す。

 サムスン重工は、気候変動と再生可能エネルギーへの世界的関心が急速に高まっていることから、洋上風発の需要増加を見込んでいる。