印刷 2020年10月19日デイリー版1面

NUCT設立20周年、「港運の固い絆」。飯田社長、自動化も推進

飯田社長
飯田社長
鍋田CTでは現在35 基のRTGが稼働している(名古屋港管理組合提供)
鍋田CTでは現在35 基のRTGが稼働している(名古屋港管理組合提供)

 【中部】名古屋港の鍋田埠頭コンテナターミナル(CT)を運営する、名古屋ユナイテッドコンテナターミナル(NUCT)が、10月2日に設立20周年を迎えた。2019年(1―12月)の取扱量は3バースで113万TEUを記録。単一のターミナルとしての国内屈指の物量を支えるのが、共同運営体制と先進的な施策の導入だ。10代目社長の飯田輝智氏は、「名古屋港は港運同士の結束が強い。協力関係があって20周年を迎えられた」と述べ、引き続き強固な共同運営体制を維持しつつ、CT自動化など先を見据えた施策を実行していく考えを示す。

 NUCTは00年10月、港運元請け8社(伊勢湾海運、上組、東海協和、日本通運、フジトランスコーポレーション、三井倉庫、三菱倉庫、名港海運)が出資して設立した(現在は旭運輸を加えた9社が出資)。

 1997年に第1バース(T1)が稼働し、01年に第2バース(T2)稼働を控える鍋田CTについて、名古屋港運協会ターミナル部会を中心に、共同利用の検討を重ねて各社が合意。NUCTがターミナルを借り受け、T2供用開始の01年5月から共同運営が始まった。

 NUCT設立について飯田社長は、同じ「ユナイテッド」を冠する名古屋ユナイテッドターミナルシステム(NUTS)や集中管理ゲートにも触れ、「港運の結束の強さの表れだと思う。今後もこの協力体制を大切にしていきたい」と力を込める。

 鍋田CTには日中・日韓のアジア近海航路が集中する。2バース体制で運営開始後、日中トレードの好調な荷動きを背景に取扱個数は急増し、2バースで100万TEU超を取り扱うまでに至った。さらに増大する貨物を見越し官民一体で3バース化を要望し、事業化したのが09年。第3バース(T3)は12年に供用開始し、効率性が大幅に向上した。

 T1・T2(延長700メートル、水深14メートル)、T3(同285メートル、12メートル)の3バース、ガントリークレーン8基、RTG(タイヤ式トランスファークレーン)35基を備えるのが現在の鍋田CTだ。環境への影響を配慮し、T3供用時に新規導入したRTGは全て給電式とした上、従来の内燃駆動RTGについても全て電動化改造を行った。そのRTGについて同社は、各港が注目する新たな取り組みを進めている。

■遠隔操作RTG40基導入

 「自動化により生産性と安全性の向上、労働環境の改善を実現する」。飯田社長が絶対に成功させなければいけないプロジェクトとして掲げるのが、遠隔操作RTGの導入だ。

 国土交通省は昨年、AIターミナル実現に向けて新設した、RTG遠隔操作化導入補助制度の第1号案件としてNUCTを選定。新規と改造合わせて40基の遠隔操作RTGを導入し、費用の3分の1以内で補助を受ける。40基は全て5段積み型で、ヤードの蔵置能力向上にも寄与する。

 「4年先、5年先を考えると、あのタイミングで手を挙げておけば良かったと後悔はしたくない。海外港湾が自動化を進める一方、国内の労働力不足が顕著になる中で、それらに起因して船社が名古屋港に寄港しなくなるという状況は避けなければいけない」と述べ、事態が深刻になる前に早期に実行することの重要性も強調する。

 先々を見据えた施策として遠隔操作RTGを導入し、生産性・安全性の向上、労働環境の改善を実現して日本の港湾としての競争力を高める考えだ。