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 印刷 2020年10月01日デイリー版1面

シェル報告、海運 脱炭素化、「水素燃料電池」最有力

 英蘭石油メジャー、ロイヤル・ダッチ・シェルは9月29日、研究報告書「海運の脱炭素化-セッティング・シェルズ・コース」を発表した。2050年までに海運分野がGHG(温室効果ガス)正味ゼロ排出を達成するための最有力技術は「水素燃料電池」と指摘。さらにシェルの戦略として、今後整備する新造船でGHG排出25%削減を目指すほか、20年代半ばまでに世界の主要航路で展開するLNG(液化天然ガス)燃料供給インフラを倍増させる目標を掲げた。

 シェルは水素の可能性について「他産業や他の輸送部門でも普及することで、他のゼロエミッション燃料よりもコスト競争力が出る」と予測。水素分野の研究を進め、遠洋航路主体の外航商船向け燃料電池の開発・試験に向けたコンソーシアムを設立する考えを示した。

 ただ、ゼロエミッション燃料が世界的に商業規模で利用可能になるのは30年代以降と予測。このため、海運は「次世代燃料の登場を待つことなく、風力アシストや空気潤滑、高度なエンジン潤滑剤、デジタル最適化技術などのソリューションを追求し、可能な限りゼロエミッションへのギャップを縮めるべきだ」と訴える。

 LNG燃料については「足元の排出削減において重要な役割を担う」ことに加えて「燃料電池と組み合わせて使用することで、同技術の開発を支えることができる」と指摘した。

 シェルは独自戦略として、同社の国際輸送における定期用船と航海用船のGHG排出データ収集プログラムを導入し、炭素原単位の年間データを公表する方針。

 同報告書は、シェルのホームページ上の「Decarbonising Shipping」特設ページでダウンロードできる。