MariTech Webinar Japan 2020 <日英同時配信>
 印刷 2020年09月28日デイリー版3面

港湾局関係概算要求、戦略港湾に450億円。AIターミナル形成など促進

コンテナ戦略港には、20年度とほぼ同額を計上する(神戸港)
コンテナ戦略港には、20年度とほぼ同額を計上する(神戸港)

 2021年度の国土交通省港湾局関係予算概算要求は、港湾政策の柱である国際コンテナ戦略港湾関連に20年度当初予算とほぼ同額の450億円(公共435億円、非公共15億円)を計上した。貨物集積、コスト、利便性の3要件を備えた戦略港湾の実現を目指すとともに、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、「ヒトを支援するAI(人工知能)ターミナル」の機能強化や、セキュリティーを確保した効率的で非接触型の物流システムを構築しゲート処理の効率化を図るなど、国内コンテナターミナル(CT)の高度化に引き続き取り組む。

 AIターミナルの実現に向けた「高度化実証事業」3プロジェクト(熟練技能者の荷役ノウハウ継承・最大化実証、コンテナダメージチェック支援システムの実証、外来トレーラーの自働化実証)は今年度も引き続き取り組みを進める。CTゲート周りでは、対面や目視で行っている搬入情報の照合・確認作業やダメージチェック作業などを非接触化できるよう、実証を通じ効果や課題を検証する。昨年度から事業者向けメニューが創設された遠隔操作RTG(タイヤ式トランスファークレーン)の導入支援も継続する。

 日本の港湾物流手続き情報を全て電子化する「港湾関連データ連携基盤(港湾物流分野)」の20年末までの構築に続き、21年度は港湾物流分野の遠隔化・非接触化に役立つ新機能の実装や改善を行うほか、港湾物流分野に加え、港湾行政手続きを電子化する港湾管理分野などでの機能拡張を進める。

 頻発化・激甚化する自然災害からの復旧・復興と並行し、今年度で終了する3カ年緊急対策後も中長期的な視点に立った計画的な施設改修などを進める。護岸のかさ上げや多重防護化を進めるとともに、台風に伴う暴風で走錨船舶が横浜港の臨港道路(橋梁)に衝突した事故を踏まえ、混雑海域周辺の港湾で避泊水域確保のための防波堤整備などを推進する。大規模地震対策では、ネットワークを意識した耐震強化岸壁の整備や臨港道路の耐震化、既存の耐震強化岸壁の老朽化対策を推進する。

 地域の基幹産業の競争力強化では、自動車産業を支える完成車ターミナルの拡充や、内航フェリー・RORO輸送網構築のための港湾整備に取り組む。農産物の輸出促進のため、港湾の積み替え施設整備を補助する新規制度を要求。国際クルーズ旅客受け入れでも、感染症対策で必要な経費の補助率を拡充する新規制度を要求した。

 港湾局関係の概算要求額は国費ベースで20年度当初比横ばいの2572億円(公共・非公共計)。ここに今後災害対策や感染症対策での「緊要な経費」の積み増しを予算編成過程で検討する。