MariTech Webinar Japan 2020 <日英同時配信>
 印刷 2020年09月18日デイリー版4面

記者の視点/高橋郁夫】港湾のコロナ対策ガイドライン、徹底することが社会活動守ること

 今年、国内外の社会・経済の姿をすっかり変えた新型コロナウイルス感染症。夏が過ぎ、日本国内では経済を回すための諸活動も徐々に再開の方向に向かっていることがうかがわれる。ただし、引き続き警戒を緩めず、可能な限り対策を講じることが必要な状況は、まったく変わっていないことも確かだ。

 海運・物流の現場で日々業務に携わる関係者にとって、感染症への対策は言うまでもなく切実な問題だ。特に、世界規模で移動する外航船員と、寄港地で荷役作業に携わる港湾労働者は共に、最前線に立つ存在となっている。

 港湾の現場から見た感染症対策では、国土交通省が今年4月、船社、港運、船舶代理店の関係団体に対し、外航貨物船の船内荷役(本船荷役)時に新型コロナウイルス感染を防止するための推奨事項を事務連絡により伝達している。

  1.37・5度以上の発熱がある者を船内荷役(打ち合わせ・作業)に従事させない 2.外航船員、港湾労働者とも電子メールなどでの代替で、真に必要がある場合を除き相互接触を控える 3.やむを得ず業務上接触する際も、相互の距離確保や必要最小限の時間・人員で行う 4.船内換気に努め、打ち合わせは屋外または換気の良い室内で行う 5.マスク着用 6.手洗い・手指消毒の徹底 7.船側の、荷役開始前後の港湾労働者が手で触れる場所の消毒実施―の各項目からなる推奨事項は、港湾作業現場における基礎的なチェックリスト、ガイドラインとして機能している。

 同省は今月、同じ船社、港運などの関係団体に、追加的な要請を出した。港湾労働者、船員双方が感染した際に、感染拡大を防止するために迅速な情報共有を求めたものだ。

 感染者が発生した場合、船舶名、感染者の発症日・確定診断日、寄港地港名、荷役日、荷役作業を行った施設名などの諸情報の共有を要請。現場で従事する船員や港湾労働者に対し出された感染症から守る体制を一層強化する方向性が出されている。

 現時点では日本国内の感染者数は7月ごろに比べ漸減傾向にあるものの、今後インフルエンザなども含む感染症が流行しやすくなる冬場に向かう中、予断を許さない状況が続く。平時・非常時問わず、社会・経済活動の根幹を支える分野が物流であることは論を待たない。海陸の結節点である港湾での対策徹底の重要性をあらためて関係者間で喚起していきたい。