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 印刷 2020年09月14日デイリー版1面

コンテナ運賃急騰、日本発にも影響大。北米向け、内陸7000ドルも

 アジア発を中心とした北米向けなど主要コンテナ航路の運賃上昇の動きが日本発にも大きく影響し始めている。アジア発運賃が急上昇する中でも日本発は荷動きが低迷していたこともあり、上昇は限定的だった。ただ、ここに来てスペースが確保できない状況は日本発にも波及、「北米向けのコンテナが何度もロールオーバー(積み残し)されている」(フォワーダー関係者)。日本発でも北米内陸向けで40フィート当たり7000ドル近い運賃も出ているようで、荷主やフォワーダーはスペース確保に苦慮している。

 「年初の頃はせいぜい(40フィート当たり)3000ドル台だったのに」

 ある関係者は最近こうつぶやいた。アジア発北米内陸シカゴ向けのコンテナ運賃は今年の初め、3000ドル台半ばから後半というのが一般的な相場だった。

 ところが現在は「シカゴ向けでスペースを確保するには6000-7000ドル程度が必要。PSW(北米西岸南部)に比べてPNW(北米西岸北部)経由の方が運賃水準は5000-6000ドルと安いものの、まずスペースは取れない」(船社営業担当者)と状況が様変わりしている。

 あるメーカーは日本発北米向けの輸出に際し、年初にサービスコントラクト(SC)契約を結んだ船社だけでは間に合わず、複数の船社に見積もりを依頼。北米内陸向けで1本7000ドル弱の運賃が出てきたようだが、荷主側はスペース確保を最優先し、ちゅうちょせずブッキングしたという。

 多くの船社では現在、期初にSC契約で結んだ運賃と足元のスポット運賃の差があまりにも大きいため、荷主側は「契約運賃だとロールオーバされたり、最低限の本数しか船積みしてくれない」(フォワーダー関係者)と嘆く。このため、ある海外の大手メーカーは、期初の契約運賃ではサプライチェーンに大きな支障が生じるとして別途、船社側に割増金を支払うことで合意。円滑な輸送を確保するための工夫をしている。

 日本発北米向けでは現在、数少ない直航サービスがほぼ日本専用となっているため、アジア発の影響はこれまで限定的だった。しかし、アジアで船積みできなかった貨物を日本でトランシップする動きが定着しつつあることで、徐々にスペースが逼迫(ひっぱく)。ロールオーバーなども再び発生しているという。

 輸出用空コンテナの不足も、運賃上昇に大きく作用している。日本は輸出より輸入が多い貿易構造のため、通常であれば空コンテナが不足することはない。輸入コンテナをそのまま輸出用に転用すれば、問題はない。

 ただ、輸入荷主による貨物の引き取りが遅れてコンテナが滞留しているほか、必要とされる場所とサイズ(20フィートと40フィート)に差が出ていることも、空コンテナ不足に拍車をかけている。

 また、一部船社ではアジア発のコンテナ不足に対応するため、日本に来る輸入コンテナをデバンニング後、すぐにアジアに回送しているという。アジアの方が高い運賃を獲得できるのが理由。その場合、日本で輸出用に使用するにはアジア並みの運賃を支払う場合に限られているという。