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 印刷 2020年09月14日デイリー版1面

MariTech 海事未来図】英ロイド船級、デジタルツイン技術。ガス船適用に基本承認

 英国船級協会ロイド・レジスター(LR)は10日、現代重工業が開発した新型LNG(液化天然ガス)燃料タンク「HiPIX」のデジタルヘルスマネジメント(DHM)システムに基本承認(AiP)を授与したと発表した。デジタルツイン(仮想空間に再現した複製)技術を用いて、機器全体の信頼性とメンテナンス性を高める。現代三湖重工業が建造しているLNG焚(だ)き二元燃料(DF)機関を搭載した超大型コンテナ船での適用を目指す。

 超大型コンテナ船にLNG燃料タンクとして搭載される現代重工の「HiPIX」は、独立方形のIMO(国際海事機関)タイプBタンクに、遠隔メンテナンスを可能にするソフトウエアを加えたサービスソリューションで構成されている。

 「HiPIX」での運用を想定しているデジタルツイン技術は、センサーやカメラを通じて自動的にさまざまなデータを取得し、サイバー空間上に現実世界と同じ構造と状況を再構築したもの。リアルタイムでデータを処理することで、従来の物理的な調査に代わってガス燃料タンクの状態を把握する機能を備える。

 そのためデータを受信した陸上からリアルタイムで具体的なメンテナンスアドバイスを行うことができ、メンテナンス効率の向上にも寄与する。さらに、故障状態を推定して早期に特定する機能により、コストがかかる重大な事態になる前に正確に予測し、機器の状況を把握することができる。

 LRは「これによって、船主は高い安全性と信頼性を維持しつつ、格納容器タンクのライフサイクルコストを低減することができ、用船契約を締結する際にも有利になる」とメリットを説明している。

 同システムはLRのデジタル専門部門によって各種評価が行われ、デジタルツイン・レディとしてAiPを取得した。現代重工はAiPの承認を受け、海運業界のDHMプロバイダーとして、タイプBタンクを顧客に対して費用対効果の高い方法で運用・保守しながら、提供することが可能になった。

 今後、現代重工とLRは、ガス供給システム用のデジタルツインを含む「HiPIX」の改良をさらに行っていく予定。