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 印刷 2020年09月11日デイリー版1面

アングロ・アメリカン、邦船大手が応札へ。LNG焚きケープ商談、5―10年で複数案

 英国の資源大手アングロ・アメリカンが進めているLNG(液化天然ガス)焚(だ)きケープサイズバルカー最大10隻の新造整備商談に、日本郵船、商船三井、川崎汽船の邦船大手3社やシンガポール船社イースタン・パシフィック・シッピング(EPS)などが応札を検討している。各社は用船期間5-10年の間で複数のアイデアを提示。建造ヤードは上海外高橋造船をはじめ中国造船所が有力視され、日本造船所は建造コストが課題となり受注競争に後れをとっている。

 LNG焚きケープサイズについて邦船関係者は「まだ次世代の船舶燃料を巡る議論は結論が出ていない。この段階で次世代船に投資するリスクをどう考えるか」と述べた上で「環境負荷低減は最重要課題の半面、コロナ禍で経営環境が不透明な中、大きなリスクはとりにくい」と複雑な胸中を明かす。

 今回の商談でアングロ・アメリカンは船幅47・5メートルの18万7000重量トン級4隻プラス追加オプション6隻の新造用船を計画。英紙トレードウィンズによると、応札船社には邦船3社のほか、星港EPS、台湾船社ユーミン、韓国船社Hラインが挙がり、今後数週間内にショートリストに絞り込まれる見通し。

 邦船大手は世界有数のLNG船オーナー兼オペレーターとしてLNG燃料仕様船の技術対応力や船員育成に優位性がある。一方、新技術への投資リスクを考慮し、期間10年未満の用船契約には慎重姿勢をとっている。

 LNG焚きケープサイズを巡っては、先週末に豪英資源大手BHPビリトンの商談が決着したばかり。オーナー企業の潤沢な資金力や意思決定の速さの強みを発揮したEPSが用船期間5年で新造船5隻を成約し、中国造船所で建造するとみられる。