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 印刷 2020年08月11日デイリー版1面

新型コロナ】船協、日本人船員PCR検査へ。掖済会と連携。「船内クラスター絶対阻止」

 新型コロナウイルスの感染が広がる中、日本船主協会は日本海員掖済会と連携し、加盟社の外航日本人船員約1800人へのPCR検査の受検体制を整えた。今月3日から掖済会傘下の病院・診療所で順次、検査が可能となっている。船協関係者は「船内でのクラスター発生は、絶対に避けなければならない」とし、検査体制構築の重要性を強調する。

 船協は洋上救急などを手掛ける掖済会に外航日本人船員へのPCR検査体制の実現に向け、協力を要請。先月31日に検査体制構築に合意し、今月3日から実施体制を整えた。

 感染拡大以降、フィリピン人などの外国人船員は船主の手配により、自国でPCR検査を受けた上で出国するケースが増えている。交代地が日本となる場合、到着後、空港で抗原検査を受検することもある。

 一方、日本人船員の交代は船舶が日本に寄港した際に、日本で行うケースが多い。ただ、これまで日本人船員に対しての検査体制は十分ではなかったという。

 今回、船協、掖済会が合意した検査は乗船の前に、掖済会の医療施設で受検するというもの。

 掖済会は、全国に8病院1診療所を構えている。現在、全ての関連施設でPCR検査が受検できるよう準備を進めている。

 6日時点では、小樽(北海道)、宮城利府(宮城県)、横浜、大阪、門司(北九州市)の各病院のほか、広島の診療所で受検できる体制を整えた。

 掖済会関係者は日本海事新聞の取材に対し、「われわれの成り立ちは船員医療から始まっている。コロナ禍の中、PCR検査の実施など協力できることはやっていきたい」と述べた。

 船協関係者も「船内でのクラスター発生は、絶対に避けなければならない。掖済会が協力していただいたおかげで、船員交代も円滑に進むだろう」と期待感を示した。

 コロナの収束の兆しが見えない中、船協が掖済会の協力を得たことは、船内感染の防止と、外航日本人船員の円滑な交代、乗下船に寄与する。

 国土交通省の「海事レポート2020」で外航日本人船員は2019年時点で2174人とされる。海運関係者によると、外航日本人船員は主にコンテナ船を除く船種にほぼ均等に分散し乗船しているという。