船員支援キャンペーン第2弾
 印刷 2020年07月29日デイリー版1面

MariTech 海事未来図】日本郵船、水素協議会に参加。海運初、SC構築へ

 日本郵船は水素の輸送や船舶用燃料としての水素の活用に積極的に取り組む。同社は28日、水素社会の実現を目指す国際組織「ハイドロゲン・カウンシル」(水素協議会)に、海運会社として初めて参加すると発表した。水素は燃焼時にCO2(二酸化炭素)を排出しないクリーン燃料として、運輸系燃料や発電燃料として需要が高まる見込み。日本郵船はエネルギー輸送で培った知見を生かして、水素社会の実現に貢献していく方針だ。

 ハイドロゲン・カウンシルは、2017年1月のダボス会議(世界経済フォーラムの年次総会)で発足した国際的な水素普及のための協議会。現在92社が加盟している。

 政策立案者や投資家に対して、水素社会実現に向けた政策・行動計画の策定・実施や、水素・燃料電池セクターへの投資を促すことなどを目的としている。

 日本郵船は同協議会に参加することで、水素に関わる技術や政策の最新情報を収集し、潜在的なパートナーとの関係も構築。同社は海運・物流業で培った知見やノウハウを生かして、水素サプライチェーン全体に関与していきたい考えだ。

 具体的には太陽光や風力など再生可能エネルギーから水素を生産する案件への参画を目指す。また、生産された水素をMCH(メチルシクロヘキサン)やアンモニアで輸送・貯蔵する事業や、舶用燃料や物流施設の燃料としての供給事業への参画も視野に入れる。

 日本郵船は水素輸送に関して、次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合(AHEAD)に参加し、商業化を見据えた実証実験を進めている。

 同組合は既に水素とトルエンを化学反応させ、常温常圧で液体のMCHに変換して、ブルネイから日本へISOタンクコンテナで輸送。脱水素プラントで気体に戻す世界初の水素輸送に成功した。

 水素燃料はゼロエミッション船を実現するための次世代燃料の有力候補と目されている。小型船では水素燃料電池船の実証実験も実施されており、28年ごろに実用化される見込み。

 水素燃料は従来型の重油系燃料と比べて、同じ熱量でもより大きな燃料タンクが必要になる。また、燃料供給インフラが整っていないことや価格が高いことなどが課題になる。郵船はパートナーと連携し、課題の解決を目指す方針だ。

 水素協議会の設立メンバーは、トヨタ自動車、ホンダ、独ダイムラー、独BMW、韓国・現代自動車、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル、仏トタル、仏エンジー、英アングロ・アメリカン、日本エア・リキード、独リンデ、川崎重工業、独アルストムの13社。それ以外に日本からは商社6社、三菱重工業、三井住友銀行、日本特殊陶業が参加している。