船員支援キャンペーン第2弾
 印刷 2020年07月14日デイリー版1面

海外船主、バルカー底値買い。売買ギャップ縮小

 有力船主がバルカーの底値買いに動いている。新型コロナウイルスの感染拡大や用船市況の不振による収益悪化を受けて、オペレーター(運航会社)系の船主などが保有船を手放すケースが増えつつある。それらを手元資金に余裕のある船主が購入している。成約の数は限られるものの、用船市況の回復も相まって、「売り手と買い手のギャップは詰まりつつある」(市場関係者)ようだ。

 ケープサイズバルカーを中古買船したギリシャ船社シナジー・マリタイム・ホールディングスは先週発表したプレスリリースの中で、「高品質な船を歴史的な安値で取得できた」と自賛した。

 同社は2005年に日本の造船所で竣工した17万8000重量トン型ケープサイズを1140万ドルで購入。同価格は18年末時点の船齢15年の類似船型の船価相場を2割強下回る。

 ただ、売買船市場関係者によると、「底値買いのような成約はそれほど多くはない」という。

 コロナ禍の影響で検船や船員交代に制約があり売買が困難な状況が続いているほか、船価相場の下落は売り手にとっては売船のタイミングではないためだ。

 そういった中でも売船に動いているのが、市況エクスポージャー(収益が市況変動にさらされる部分)の圧縮を進めるオペや手元資金を確保しておきたい船主になる。

 買い手の姿勢に変化が出ている。背景には6月後半からケープサイズを中心にバルカーの用船マーケットが復調してきたことがある。

 同関係者は「キャッシュが潤沢なギリシャ船主らからの引き合いは増えている。少し前まで様子見だったが、真剣な数字(船価)を提示するようになってきた。船価のギャップは縮まりつつある」と語る。

 バルカーの売買船市場を巡っては、用船市況の低迷や新型コロナの影響で3-5月は商談が成立しづらい状況が続いた。依然として取引上の制約はあるが、商談がまとまるケースは増えつつあるようだ。