印刷 2020年07月02日デイリー版3面

ジャパンコールドチェーン、新タイプ保冷剤、ドライアイスの代替に。コスト・環境負荷軽減へ

フジヤマ18プロ。専用の保冷ボックスと組み合わせて使う
フジヤマ18プロ。専用の保冷ボックスと組み合わせて使う

 高い保冷機能を持つが、一般的な低温保冷剤と違って家庭用冷凍庫でも凍結可能。繰り返し使えるのでドライアイスよりもコストを抑えられ、CO2(二酸化炭素)を出すこともない。ジャパンコールドチェーン(JCC、東京都目黒区、賀本宗一郎代表取締役)は新タイプの保冷剤「Fujiyama18 Pro(フジヤマ18プロ、以下18プロ)」の普及に取り組んでいる。まずはアイスクリームの宅配や冷凍食材などの店舗配送用などでの販売拡大を目指し、将来的には食品輸出などへの活用も提案する。

 18プロは食品添加物を成分とし、その組み合わせによりマイナス20度を長時間維持する。一般的な保冷剤の凍結にはマイナス10度の温度差が必要なのに対し、マイナス21度で凍結する。1度差で凍る保冷剤は世界でも珍しいという。2017年に特許を取得し、現在は国際特許を出願中。既に米国では特許が下りた。

 18プロはドライアイスの代替品として使うメリットが大きい。価格は一般的な保冷剤より高いがリユース可能なため、ドライアイスの使用量に比例してランニングコストを削減できる。

 ドライアイスはCO2を放出する上、中毒や低温やけどのリスクもある。JCCの賀本代表取締役は「ESG(環境、社会、ガバナンス)に対する意識の高い企業ほど、18プロに関心を持ってもらえる」と話す。

 加えて、この数年は原料不足と猛暑により、ドライアイスの供給が不安定になっている。こうしたことも背景に、ドライアイスの代替需要はコンビニエンスストア(CVS)や外食チェーンを中心に広がっている。

 中でも溶けやすく、厳しい温度管理が必要なアイスクリーム向けに、JCCが昨年開発したのが18プロだ。マイナス21度で凍結する18プロは、家庭用冷蔵庫や店舗の既存設備で運用可能。特殊冷凍庫などの整備なしにドライアイスから置き換えられる。既に大手食品流通業者がアイスクリームの宅配に採用し、大手食品メーカーがトライアルを行った。

 JCCは18プロのほか、既存シリーズとして「フジヤマ18」も提供している。そのうちマイナス18度を保つタイプも18プロと同様の特長を備えている。両タイプとも通販や飲食店のデリバリー、ネットスーパーの急増で宅配用の需要が高まっているほか、店舗に冷凍食材を配送するにも利便性が高い。

■海外展開も視野

 JCCは、将来的にはフジヤマ18・18プロの輸出への活用や海外展開も視野に入れる。一般的な冷凍庫さえあれば、国内外にわたる一貫したコールドチェーンを構築可能だ。マレーシアに冷凍食品を輸出する実証実験では、高い温度維持効果が確認された。小ロットの輸出であれば、ドライアイスを使った既存サービスに比べてコストを抑えられる試算も出た。

 賀本氏は郵船ロジスティクスの出身。米国駐在などを経て、16年に起業した。物流会社とも協力しながら国内での拡販に取り組み、次のステップとして国際・海外物流への進出を目指す。