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 印刷 2020年06月30日デイリー版1面

日本郵船長澤社長、「何が何でも今期黒字に」。株主総会、投資リスクは限定的

 日本郵船は29日、東京都千代田区の本店ビルで定時株主総会を開催した。長澤仁志社長が今期業績について、「非常に不透明な状況下だが、何が何でも経常黒字を確保するという強い気持ちで経営に当たっていく」と決意を表明した。足元の経営状況については「リーマン・ショック直後は発注残が1兆1000億円に達していたが、この3月末は2000億円強。コミットしている投資額が少なく、支出をコントロールできている」とリスクが限定的であることを強調した。

 新型コロナ対策に伴い、総会の所要時間は1時間5分(昨年は2時間11分)、出席株主は111人(同524人)と大きく減少。質疑応答は株主8人(同11人)が9件(同21件)の質問・意見を提起した。

 冒頭、長澤社長はコロナ禍について「当社グループでも数十人が罹患(りかん)し、数人だが亡くなった方もいる」と説明。昨年まで11年間、社外取締役を務めた岡本行夫氏をはじめ、新型コロナの犠牲者に哀悼の意を表した。

 その上で「当社グループは、人々のライフラインである物流を守るという信念の下、世界中で懸命に働いている。物流の現場で体を張っている仲間を誇りに思うと同時に、その社会的責任の重さを強く感じている」と述べた。

 質疑応答では株価低迷に関する質問に対し、長澤社長が「基本的に株価はマーケットが決めるもの。われわれはまず実直に事業を行い、財務状況を上げていく中でマーケットに評価してもらう」と回答。「この1-2年はまず危機の克服に専念する」と方針を語った。

 客船「飛鳥II」の後継船については、「『ダイヤモンド・プリンセス』号の集団感染以降、客船の安全性が問われている。今後、客船マーケットがどうなるのかを精査しながら慎重に考えたい」(長澤氏)とした。

 コロナ禍での船員交代問題については、小山智之専務執行役員が回答し、世界的な移動制限で「3月中旬から、ほとんど交代できない状況が続いていた」と説明。郵船グループ支配船員は通常、1カ月に1000ポジションの交代を実施するが、3月は500、4月は60まで減少し、状況がやや改善した6月も350程度にとどまる。

 郵船は制限緩和のために国際団体を通じ、各国に船員が国際物流を止めないための“エッセンシャルワーカー”であることを訴えており、「船員とコミュニケーションを密にして安全運航に取り組んでいる」(小山氏)。