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 印刷 2020年06月30日デイリー版2面

内航海運、荷主と取引環境改善へ。交政審部会で施策案を提示。契約内容書面化など

 国土交通省海事局は26日、今後の内航海運に関して議論する交通政策審議会(国交相の諮問機関)の部会で、荷主との取引環境改善策などを柱とする施策案を提示した。内航海運で課題となっている取引の改善を図るためには荷主の協力が必要と指摘。契約内容の書面化を進めることや、荷主の協力促進(法令順守への協力担保)といった方針を明らかにした。出席委員からは「運賃・用船料の見える化を」「取引環境改善には国による支援が必要」といった意見が出された。

 これらの方針は同日の交政審海事分科会基本政策部会で、同部会の中間取りまとめ案として提示した。部会では、今夏までに中間取りまとめが行われる。施策を進める上で、新型コロナウイルス感染症の影響も考慮したいとした。

 同案は「内航海運が今後も荷主ニーズに応え、安定的輸送の確保を図る」とした最終目標実現への具体策を示したものだ。

 取り組みの柱として、「荷主などとの取引環境の適正化」のほか、「船員の確保・育成と働き方改革の推進」「内航海運の運航・経営効率化、新技術活用」の3つを明示。「目標実現にはこれらの取り組みを総合的に進めることが必要」(国交省海事局)とした。

 取引環境改善策ではこのほか、船員の労働時間管理に対するオペレーター(運航船社)の責任強化、不況時に迅速に供給量を調整することが難しい内航船の特色を踏まえたセーフティーネットの必要性も示した。

 取引環境改善を図る上で来年8月に暫定措置事業が終了する予定であることも踏まえた。国交省は「同事業実施時には船舶を売却した際に交付金収入などを得ることもできたが、事業終了で内航事業者は収益を運賃・用船料で確保しなければならなくなる」(内航課)と指摘。適正な収益確保にもつながる取引環境改善策を推進する必要性を強調した。

 「船員の確保・育成と働き方改革の推進」では労働時間管理の適正化、多様な働き方の実現といった船員の労働環境の改善、陸上にならった産業医制度導入など船員の健康確保といった策を提示。

 運営・経営効率化では、船舶の所有と管理の分離に対応した「船舶管理業の確立」、RORO船などを活用した「船舶大型化による物流システム効率化」などを挙げた。

 今回の会合では国交省、日本内航海運組合総連合会が新型コロナによる影響に関しての報告も行った。

 同部会は昨年6月から内航海運をテーマに議論。今回は新型コロナの影響で約3カ月ぶり(前回は書面開催)に開かれ、感染拡大防止から一部出席者を除きウェブで参加する方式を採用した。