MariTech Webinar Japan 2020 <日英同時配信>
 印刷 2020年06月26日デイリー版1面

海事局長、洋上空港活用「必要なし」。現段階で見解、船員交代改善受け

大坪氏
大坪氏

 国土交通省の大坪新一郎海事局長は25日の定例会見で、新型コロナウイルスの感染拡大で困難になっている船員交代に関して、フィリピン国内の移動制限が段階的に緩和されていることに触れ、「交代できるようになってきている」と説明。その上で、海運業界が船員交代の手法の一つとして検討している国内の洋上空港(海上空港)を活用する案については「現段階では必要ないのではないか」との認識を示した。

 海運業界が船員交代を実施する手段の一つとして検討している洋上空港の活用の案について大坪局長は、「報道で承知している。現在は、検査を受けて入国し、公共交通機関を使わずに移動し、船に乗船するケースも出ている。世界全体でも移動制限が緩和されている中で、海上空港に船をもってきて、船員を乗船させる必要ない」と語った。

 船員交代を巡っては、国連のグテーレス事務総長も言及し、「人道危機だ」として、国連加盟各国に対し「船舶乗務員らを『重要労働者』と公式認定し、要員の安全な交代を保証する」ことを呼び掛けている。

 これについて大坪局長は「外国人船員の入国に関しては海運業界の意見を聞きながら、関係機関と調整しながら進めている。現時点で船員交代に大きな支障が生じているということは業界からは聞いていない」と説明した。

 フィリピン国内の移動制限が段階的に緩和されていることにも触れ、「フィリピン人船員の交代が徐々に進んでいる」との認識を示した。

 その上で、「日本国内でコロナの感染者が拡大していた4月ごろに比べれば交代実績は増えている。さらにはシンガポールではガイドライン(指針)が策定され、船員の移動が認められるようになり交代が進んできている」と強調した。