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 印刷 2020年05月22日デイリー版1面

e5コンソーシアム設立、EV船実現へ加速

「e5タンカー」のイメージ図
「e5タンカー」のイメージ図

 商船三井と旭タンカーなどが出資する「e5ラボ」が企画・デザインした、499総トン型ゼロエミッション電気推進船(EV船)「e5タンカー」の建造プロジェクトが本格化する中、同船の運航に必要なインフラの整備などに向けて「e5コンソーシアム」が21日、立ち上がった。e5ラボに出資する4社に加え、東京電力エナジーパートナーや出光興産、東京海上日動火災保険が参画。EV船の開発、実現、普及へさまざまな取り組みを通じて新しい海運インフラサービスの構築を目指す。

 「e5タンカー」は、東京湾内を対象とした平水仕様の舶用燃料供給船(バンカリング船)で、大容量リチウムイオン電池を動力源として搭載する。2隻が国内ヤードで22年3月から23年3月にかけて順次竣工し、旭タンカーが運航を担う。

 EV船の運航には、バッテリーへの充電を行う給電設備を陸上に設置することが必要。コンソーシアムに参画する東京電力エナジーパートナーが、船の電力化を実現する上で重要な給電インフラの部分を手掛ける。e5タンカーの給電設備は東京湾内の係船場に設置される予定で、同社はハード面のほか、電気の調達や設備のメンテナンス、アフターサービスなどにも関わる。

 またe5タンカーに搭載されるリチウムイオン電池の蓄電量は、日産自動車の電気自動車リーフの100台分に相当。災害時の沿岸地域への電力供給や、通信基地、防災船などBCP(事業継続計画)に貢献することもできる。

 関係者も「BCPのインフラを自治体が持つのではなく、海運が社会インフラを支える。有事だけでなく内航海運の付加価値を上げていくことにつながるのでは」と期待を寄せる。

 コンソーシアムではこのほか、EV船という新しい船舶に対するリスクアセスメントや保険のあり方、バッテリー交換時にデジタルという技術をどのように組み込んでいくかといった点など、メンバー各社それぞれが持つ、技術ノウハウ、ネットワークなどを持ち寄り融合させることで、革新的な海運インフラサービスを提供するプラットフォームを構築していく。