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 印刷 2020年05月01日デイリー版2面

MariTech】インマルサット、日本海事産業の技術革新に焦点。業界報告書を発行

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 グローバル移動体衛星通信サービスなどを手掛ける英インマルサットは4月23日、日本の海事産業のイノベーションに焦点を当てた業界報告書「粛々たる革命-日本の海事産業における生産性革命」を発行した。日本企業がすでに実施しているIoT(モノのインターネット)ベースの船舶の運航、乗組員管理への行動計画などを探求し、新たなスタートアップ企業文化の構築に向けた独自の洞察を提供する。

 同報告書は「トレード2・0:新興企業が次世代の海上貿易をどう推進していくか」を基盤として、インマルサットが実施した世界的な調査に基づき、海事産業の専門家であるニック・チュブ氏とレオナルド・ザングランド氏による調査研究を記したもの。海事産業における技術開発や特定の国におけるスタートアップ企業に関するシリーズの創刊号となる。

 報告書では日本のデジタル化の基盤は「パートナーシップ」にあるとしており、例として川崎汽船と川崎重工による生物付着の管理、トリムの最適化、乗組員の負担軽減のための船舶の運航性能最適化に向けたプラットフォームの開発▽商船三井と海上技術安全研究所と古野電気による、VLCC(大型原油タンカー)21隻の運航支援に向けたAR(拡張現実)の開発▽日本郵船の研究部門であるMTIとNTT、NTTデータが行っている船舶搭載用「IoTプラットフォーム」の開発-を挙げた。

 またインマルサットは今年初めに、日本海事協会が設立した子会社であるシップデータセンター(ShipDC)とのコラボレーションを開始している。

 インマルサット・マリタイムのロナルド・スピッサウト社長は、船員向け電子通貨プラットフォームを運営する「MarCoPay(マルコペイ社)」や、日本郵船グループがウェザーニューズや構造計画研究所と共同で立ち上げたシンフォニー・クリエイティブ・ソリューションズの取り組みに言及し、「日本における海上技術部門は今日88億ドル(約9400億円)相当の価値があり、2030年までに158億ドルにまで引き上げられる」との予測を述べた。

 また、日本のデジタル化の将来を形成する重要な関係として「自律船に関するE5ラボ、ShipDC、マリタイム・イノベーション・ジャパンとの協働など従来のネットワーク以外のものも含めて重要」とコメントしている。

 同報告書はインマルサットのHP(https://www2.inmarsat.com/trade2.0_Japan_JN)で名前や会社名などを登録することで見ることができる。