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 印刷 2020年02月14日デイリー版2面

荷動きに今後悪影響も。新型肺炎、栗林・内航総連会長が指摘

栗林氏
栗林氏

 日本内航海運組合総連合会の栗林宏吉会長=写真=は12日夕の政策委員会後の記者会見で、新型コロナウイルスで今後、内航荷動きに影響が出る可能性を示唆した。「新型コロナウイルス発生による内航荷動きへの影響は現時点ではまだ分からないが、どの程度の影響が出るか(関係者は)慎重にみている」と指摘し、「中国では(一部を除き)春節(旧正月)休みが今週から明けてきた。今後日本へどの程度の影響が出るか2月末ごろには判明してくるのではないか」との見方を示した。

 栗林会長は会見で足元の荷況動向について触れた中で説明した。

 内航総連がまとめた主要な元請けオペレーター(運航船社)対象の輸送実績調査で、2019年12月の輸送量が油送船は前年同月比1%増えたものの、貨物船は8%減と落ち込んだ。栗林会長は「12月は、油送船ではSOx(硫黄酸化物)規制強化を前に、駆け込みで適合油を転送する輸送が発生したが、実態はこんなには良くない。貨物船は月を追うごとに悪くなっている」と述べた。

 その上で、「1月末にコロナウイルスの問題が出てきた。どれくらいの影響が出るか関係者は慎重にみている状況」と説明。一方、新型コロナウイルスの感染拡大防止への国などからの協力要請は、「現時点では特に聞いていない」とした。

■正副会長会議

 内航総連の正副会長会議で議論が続く「暫定措置事業終了後の業界の在り方」については「先月公表した通り、21年8月で暫定事業の借入金を返済する見通しがついた。それに合わせ、暫定事業をどのように終了するかを国土交通省を含め調整している。それについて傘下5組合と意見交換を続けている状況。今回会議で出た意見も含め調整を進める。なるべく早期に取りまとめたい」との意向を示した。

 傘下5組合の一つである全国海運組合連合会が事業者へのアンケートの結果を基に、暫定事業終了後のセーフティーネット、船員対策の各事業、中央組織の存続の必要性を示したことについても言及。「セーフティーネットや船員対策の必要性はわれわれの考えとそれほど大きな違いはない。中央組織については、他の海運組合からも『内航総連のような中央組織がないと業界団体として機能しづらい』という意見があり、これが共通認識なのではないか」とコメントした。

■SOx規制

 1月からのSOx規制強化については「内航総連には現在までにトラブルに関する報告は来ていない」と説明。会見に同席した加藤由起夫理事長は「既に限られた会社を対象にフォローアップ調査をしたが、問題はなかった。年度末に向けて幅を広げ、供給や規制適合油の性状に問題がないかなどを調べるなどフォローアップしていきたい」との考えを示した。