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 印刷 2020年01月24日デイリー版3面

MariTech 海事未来図】国際商工会議所、貿易電子化で協定。星港政府・NTTデータなどと

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 国際商工会議所(ICC)、シンガポール政府とNTTデータなど日系企業10社を含む民間16社が、貿易の電子化加速で連携する。ICCは22日、スイス・ダボスで開催中の世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)と併催されている「ICC貿易デジタル化フォーラム」で、協力協定に署名したと発表した。各国・各企業が進める貿易電子化プラットフォーム(PF)の相互接続性を高め、貿易業務の効率化、コスト・ミスの削減などに寄与するのが狙い。

 同フォーラムは、ICCとシンガポール政府の共催。今回の協力協定の一環として、世界有数の貿易ハブであるシンガポールを軸に貿易電子化の効率化、手続き標準化を進める。

 シンガポール政府はブロックチェーン(分散化台帳)技術をベースに、電子貿易書類を処理するためのフレームワーク「トレードトラスト」を開発しており、さまざまなパートナーと連携している。ICCはシンガポールの情報通信メディア開発庁(IMDA)、トラフィグラ、DBS銀行などの協力も得て、トレードトラストと連携するPF「ICCトレードフロー」を貿易テック企業パーリンと共同開発した。昨年11月には南アフリカから中国に鉄鉱石に輸送する、取引額約2000万ドルの貿易がICCトレードフロー上で処理されたという。

今回の協定に署名した企業はマレーシア製紙大手APRIL、DBS銀行、丸紅、マスターカード、三菱商事、三井物産、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、ノーブル、NTTデータ、PSAインターナショナル、損保ジャパン日本興亜、スタンダードチャータード銀行、住友商事、東京海上日動火災保険、トラフィグラの各社。

■「トレードワルツ」商用化へ

 NTTデータは今回の協定署名を受け、実証実験を重ねてきた貿易PF「トレードワルツ」の本格商用可に向けた整備を進める方針だ。

 トレードワルツはブロックチェーン技術を用いて貿易処理の電子化、電子データの原本性担保を目指すPFで、日本国内では2017年から荷主、船社、銀行、物流会社などと業界横断型のコンソーシアムを設立。貿易関連書類電子化の実現可能性や、PF導入利点の検証を行ってきた。

 また、海外ではシンガポール政府やタイ商業・工業・金融合同常任委員会との共同実証実験を通じ、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域へのPF展開も推進している。

 NTTデータでは今回のフォーラム参加に「貿易PF間の相互接続性は重要なテーマであり、国際的にこうした議論を推進するICC、シンガポール政府との協力関係を強化できたことは非常に大きな意味を持つ」とコメントしている。