2019 日本コンテナ航路一覧
 印刷 2019年08月23日デイリー版3面

インタビュー トップ10への離陸】近鉄エクスプレス社長・鳥居伸年氏/生き残りへFW注力(その2)

「われわれの強みが生きる分野にリソースを投入していく」と話す鳥居社長
「われわれの強みが生きる分野にリソースを投入していく」と話す鳥居社長

 --人材が重要な業界だが、デジタルフォワーダーの登場などデジタル化の潮流も顕著だ。

 「デジタルフォワーダーはEC(電子商取引)分野など、新たに生まれた物流需要を取り込んでおり、今後無視できない存在になるだろうが、われわれがその分野で先頭集団を走る必要はない。デジタル化にほとんど対応していない顧客層もいる。われわれのノウハウ、強みが生きる分野に、限られたリソースを投入していく。デジタル化の進展自体は注視しており、顧客に求められるシステムがはっきりすれば、順次導入することになるだろう」

■流通・生鮮強化

 --新中計での営業戦略を改めて。

 「日本市場が伸びない中、グローバルでの物量を伸ばすためにもコーポレートアカウントは継続して取り組む。アイテム別では、エレクトロニクス(電子・電機)、自動車関連、ヘルスケア、インダストリアル(産業機械など)などに継続して取り組むが、さらなる物量底上げへリテール(流通・小売)やペリッシャブル(生鮮品)を開拓する。APLロジスティクス(APLL)がリテールでのオーダーマネジメントに強く、彼らの看板を使って欧米系大手荷主ともコンタクトできる。すでに複数の成功案件が出ているが、KWEとして経験が足りない部分もあり、今はノウハウを蓄積している段階だ」

 「ペリッシャブルは航空会社にとっても魅力的な貨物。非常に手間もかかるが、例えばカナダでは米州、中国向けなどの生鮮品に取り組み、同国のIATA(国際航空運送協会)ランキング上位に食い込む足掛かりとなった。グローバルでのマーケティングを改めて進めたい」

 「(特定拠点に貨物を集中し輸送効率を改善する)ゲートウエー戦略は、メガフォワーダーが既に取り組んでいるが、われわれは各拠点がいい意味での独立心が強く、マインドセットや、利益配分の仕組みを見直さないといけない。特にナショナルスタッフにとってはインセンティブの問題もあり、自社・自分の利益を上げることに強いこだわりがある。ただ、今後も航空会社・船社のキャリアの統廃合は必ず起こる。選択肢が狭まったときに、有力キャリアとのアライアンスのような取り組みは不可欠だ。欧州ではアムステルダム、フランクフルト、アジアではバンコク(スワンナプーム国際空港)、上海などへの集約が進んでいる。独立採算でやってきたKWEにとってはチャレンジングな試みだが、混載効率改善はフォワーダーの原点。ゲートウエー戦略は必須と言える」

■ノウハウ共有へ

 --APLLとの連携は。

 「買収から4年たち、シナジーが出せる分野がはっきりしてきた。一つはリテール分野。また、産業部品などリテール以外の分野でも彼らのオーダーマネジメントシステムをご利用いただける機会はあると見ている。事務所・倉庫などファシリティーの共有も進展した」

 「人事やITシステムなどでも、既にグローバルトレーニングなどの制度を構築してきたAPLLから学ぶところは多い。簡単にはいかないが、ノウハウの共有などに取り組んでいる」

 「17年に香港を本部とするグループプロキュアメントセンター(GPC)を開設し、海上輸送の仕入れ部門を統一した。われわれは邦船主体に起用してきたが、APLLは邦船にコンタクトが少なく、起用船社の幅が広がるなど成果はあった。今後もコラボレーションを一層促進していく」