2019 日本コンテナ航路一覧
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 印刷 2019年08月15日デイリー版1面

郵船グループ/インドネシア事業拡大。自動車船拡充、倉庫増床も検討。「顧客支援へ総合力」

左から秋田、川田、坪井、岩崎(治)、牧野、岩崎(知)の各氏
左から秋田、川田、坪井、岩崎(治)、牧野、岩崎(知)の各氏

 日本郵船グループがインドネシアでの事業展開を強化している。同国発着の自動車船や在来船による充実した輸送サービスに加えて、同国国内の自動車船サービスも拡充。パティンバン港の開発に伴う顧客ニーズの変化をにらみ、ジャカルタ東部のカラワン地区での倉庫の増床なども検討している。「郵船グループの総合力を発揮し、顧客の事業展開を支援していく」(NYKラインインドネシアの坪井歩社長)考えだ。

 日本郵船グループのインドネシア展開は、代理店業が主力のNYKラインインドネシアのほか、在来船事業のNYKバルク・プロジェクト(NBP)も駐在員を配置。総合物流サービスを提供する郵船ロジスティクスは、フォワーディング業と倉庫業を手掛ける現地法人3社を擁する。

 インドネシア発着の充実した自動車船サービスが特長だ。東南アジア各地を結ぶサービスに従事する自動車船がジャカルタに週2回寄港。シンガポール経由で中近東や欧州など向けのサービスに接続している。

 また、内航海運大手のサラーム・パシフィック・インドネシア・ラインズ(SPIL)と合弁で「NYK-SPIL INDORORO」を運営。1000台積み自動車船による同国国内のサービスも提供している。

 自動車産業が集積する首都ジャカルタを基点に、スマトラ島、カリマンタン島、スラウェシ島を結ぶサービス網を構築。昨年1月に3隻体制に船隊を拡充したため、2018年度の輸送台数は前年度比3割増の6万台弱に伸びた。

 東京船舶から継承した在来船事業も売りだ。日本発のサービスはインドネシアに月5-6便以上が寄港。日本からは鋼材製品を中心に雑貨やプラント類を運び、インドネシアからは非鉄鉱石やパルプ、バイオマス燃料などを運んでいる。

 インドネシアはPKS(パームヤシ殻)の世界最大の供給国。「バイオマス発電所の立ち上げに伴い、日本向けのPKS輸送量が伸びている。18年は17年の25航海から30航海に増えた。今年はさらに増える」(NBPの岩崎治氏)見込みだ。

 郵船ロジスティクスはフォワーディング事業が主力の郵船ロジスティクスインドネシア(YLID)、倉庫業の郵船ロジスティクスソリューションズインドネシア(YSID)とプニナール郵船ロジスティクスインドネシア(PYID)の3社で事業を展開している。

 地域に根差した物流サービスが評価され、3社で1500人の従業員を抱えるまでに成長。事業別の売り上げ構成はフォワーディングと倉庫などがほぼ半々となっている。

 YLIDは海上・航空貨物のフォワーディング、トラック輸送、プロジェクトカーゴ輸送が事業の柱。ハラル(イスラムの戒律に沿った物品の取り扱い資格)認証や医療・医薬品の輸送品質基準の認証も取得しているほか、高品質な通関サービスも強みだ。プロジェクトカーゴ輸送の専門部署も設置し、「工場設備の輸送、据え付けを通じて、荷主の地方展開を支援していく」(岩崎知直マーケティングディレクター)。

 倉庫業はジャカルタ東部のMM2100工業団地、タンジュンプリオク港近郊のチャクン地区がメインになる。「パティンバン港の稼働を見越して、カラワン地区に移転して生産能力を増強するメーカーが増えている。同地区で倉庫を増床する可能性を探っていく」(YSIDとPYIDの秋田誠司ディレクター)方針だ。

 PYIDの倉庫はジャカルタ市内に近い立地条件を生かし、首都圏向けの消費財や家電などの配送センター機能を担っている。さらに、同国内のサプライチェーンの拠点としての役割も果たしている。完成車・建設機械の在庫保管やアクセサリー装着などの付加価値サービスも提供できる体制を整えている。

 保税に関する新制度「保税物流センター(PLB)」のライセンス取得も目指している。3社の副社長を務める牧野良洋氏は「保税倉庫を長年運営してきたノウハウが生かせる。輸出増加も見込まれる中で、保税区域の活用はこの国のバリューを引き出す上で不可欠な要素になる」と語る。

 3社を率いる川田和男コミッショナーは「ここ10年で顧客層が着実に広がった。自動車関連産業のお客さまを中心に、医薬品産業、石油化学産業、航空機産業、非日系顧客など向けのサービスも増え、顧客基盤は強化されている」と述べた上で、「市場としてのポテンシャルは大きい。さらなる業容拡大を目指す」と意気込みを示した。