2019 日本コンテナ航路一覧
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 印刷 2019年08月14日デイリー版5面

IMOによる船舶燃料油中の硫黄限度規制】(中)/20年1月1日施行に向けMEPC74で採択・承認したガイダンスとガイドライン(戸田総合法律事務所・阪田泰一技術顧問監修)

■13日付5面から続く

 3.2.4 B7[すなわち、7体積%]までのバイオディーゼル混合物を取り扱うための機関および装置の能力を確認するため、エンジンおよび油水分離器、船外排出モニター、フィルターおよびコアレッサーなどの製造業者に相談する必要がある。

 3.2.5 孤立した個別の燃料油タンクに貯蔵され、劣化が加速する条件にさらされる場所の救命艇エンジン、非常用発電機、消防ポンプなどのために、このようなバイオディーゼル混合燃料を使用することは避けることを推奨する。

 3.2.6 CIMACは、船舶所有者および運航者向けの最大7.0体積%FAMEの留出燃料油管理の指針「Guideline for Ship owners and Operators on Managing Distillate Fuel up to 7.0% v/v Fame[Biodiesel]」を提供している。

 3.3 Residual fuels

 3.3.1 Stability and compatibility

 3.3.1.1 単一の燃料群(バッチ)内の燃料安定性と、異なる燃料群(バッチ)間の混合安定性(燃料適合性)とを区別することが不可欠である。

 3.3.1.2 安定性に関して:燃料は、引き渡し時には安定的で均質でなければならない。そしてこれを確実にすることは、燃料ブレンダー(製造業者)と供給業者の責任である。

 3.3.1.3 精製された製品の幅広いブレンド(混合)が新しい燃料をつくるために使われるだろう。そして、ブレンドの安定性と混合安定性(適合性)が船舶所有者・運航者にとって重要な関心事になるであろう。不安定な燃料は単独で分離することがあり、混合安定性の悪い(互換性のない)燃料は単一のバンカータンクに混ぜると分離することがあり、スラッジを形成してフィルターをブロックし、最終的にエンジンの故障を引き起こす可能性がある。

 3.3.1.4 船舶は、混合手順を持つことが推奨される。この手順は主に、可能な限り新しいバンカーを空のタンクに積み込むことを目的としている。船舶がすでに船上にあるバンカーと新しいバンカーを混ぜ合わせる可能性があると船舶が判断した場合は、混ぜ合わせる前に、船が2つのバンカー間の混合安定性(互換性)を判断することが重要である。

 3.3.1.5 参照試験方法は、ISO10307-2-2009規格に準拠した潜在的総セジメント試験(total potential sediment test)とする。

 3.3.2 Catalytic fines

 3.3.2.1 触媒粒子は(原油)精製の副産物であり、触媒が燃料油をクラック(熱分解)するときに意図的に導入された金属の小粒子からなる。清浄(浄化)によって減少しない限り、触媒粒子はエンジン部品に埋め込まれるようになり、深刻で急速なエンジン損傷を引き起こす。cat fine(触媒粒子)の管理に関する機関製造業者の手引(ガイダンス)を参照する必要がある。

 3.4 Key technical considerations for shipowners and operators

 3.4.1 船舶のタンク配置と燃料システム-これらの混合された残渣燃料のほとんどの粘度は、それらが清浄および燃焼のために加熱を必要とするので、それらが留出油燃料(システムおよび機械のみ)に使用することができないほどのものである。留出油燃料とこれらの新しい燃料の両方が完全に分離された燃料系統(システム)が推奨される。

 これらの新しい燃料を保管するために残渣燃料タンクを使用する時は、タンククリーニングが推奨される。これは、これらのタンクに蓄積したスラッジが燃料システムに入るのを防ぐためである。

 3.4.2 タンク洗浄の詳細については、MARPOL条約付属書VIの0.50%硫黄限度の統一した実施のための船舶実施計画の策定に関するガイダンスに関するMECP.1/Circ.878の付録3(Appendix3)に記載されている。(Guidance on the development of a ship implementation plan for the consistent implementation of the 0.50% sulphur limit under MARPOL Annex VI)

 3.4.3 加熱要件-これらの新しい燃料のほとんどの低温流動特性のため、燃料の恒久的加熱がワックス形成の危険性および/また貯蔵のリスクを最小化するために必要かもしれない。

 3.4.4 燃料処理システム-これらの新しい燃料の幾らかは、触媒粒子および/または堆積物を含有している可能性がある。従って、船上での清浄が必要である。セパレーターの温度とその設定は、燃料の粘度と比重により調整する必要がある。OEMおよび燃料供給業者からの推奨を参照してください。

 3.4.5 これらの新しい燃料の多くは、従来の残渣油燃料と比較して低い粘度であることを考えると、過熱しないように注意する必要がある。

 3.5 ISO Standard for residual fuels

 3.5.1 バンカー市場は、燃料がMARPOL条約付属書VIを順守していることを意味する、引き渡される燃料の特性を確実にするためISO8217:2017規格(仕様)を使用する。

 3.5.2 舶用燃料のための既存のISO82127:2017規格(仕様)は、舶用燃料の多様な性質を考慮に入れており、留出油燃料または残渣油燃料の多くのカテゴリーを組み込んでいる。全ての供給場所で全てのカテゴリーが利用できるわけではないが、現在使用されている全ての舶用石油燃料油、および2020年の0.50%硫黄燃料を網羅している。ISO8217:2017規格の表1および2に含まれるISO8217:2017規格仕様の舶用燃料および特性に関する一般要求事項では、安全性、性能および環境への懸念が特定され、さらに保管、清浄を含む船内取り扱い要件が考慮され、そして燃料油の硫黄含有量に関係なく、現在使用されている燃料油および2020年に予想される燃料混合物(ブレンド)の燃焼の様相が考慮されている。

 3.5.3 これらの燃料油に特定されている化学的性質に適合している限り、いかなる新しい規格も再生可能な代替の非化石原油由来製品の使用を排除せず、取り組むことが重要である。

 3.6 Cylinder lubrication

 3.6.1 シリンダー油の選択は、使用される燃料の種類に従うことがよくある。従って、RMの運用からVLSFOの運用へ切り替える場合、適切なシリンダー油の選択は、エンジン製造業者の推奨に従って検討される必要がある。

 4.Verification issues and control mechanism and action

 4.1 Survey and certification by Administrations

 4.1.1 MARPOL条約付属書VIの第5規則に従って検査を行う場合、行政機関は、船舶が0.50%硫黄限度を実施するための規定を順守しているかを検証するため船舶の検査を実施する必要がある。行政機関は、船上にあるBDN、その他の書類または、MARPOL条約付属書VIの第18規則の規定と一致する適切な燃料油サンプルに基づき船舶が使用するために適合燃料油を持っているかどうかを調べる必要がある。使用のためにHSHFOを持っている事が識別された場合は、行政機関は、MARPOL条約付属書VIの第3.2規則および第4規則が適用されるかどうか、または船舶が燃料の入手問題に遭遇し、MARPOL条約付属書VIの第18.2規則に従って運用しているかどうかを調べる必要がある。

 4.1.2 行政機関が第14.1規則および第14.4規則の硫黄限度の順守を判断するために燃料油サンプルの分析を決定した場合は、最終試験は、ISO/IEC17025規格、または同等の規格に従って試験を実施する目的で認定された試験機関によりISO8754:2003規格に従って実施される必要がある。試験結果はISO8754規格、報告プロトコルに準拠している必要がある。つまり、硫黄0.10%以上の試験値は小数点以下2桁まで報告する必要がある。

 4.1.3 MARPOL条約付属書VIの第11.4規則に従って、行政機関は、申し立てられた違反の報告を調査し、従って、報告を行った当事者および機関(IMO)に速やかに通知しなければならない。機関(IMO)に通知する際には、MARPOL条約付属書VI GISISモジュールを使用する必要がある。

 4.2 Control measure by port States

 4.2.1 ポートステート当局は、MARPOL条約付属書VIの第10規制および2019年PSCガイドライン(2019 Guidelines for port State control under the MARPOL Annex VI[resolution MEPC.321[74]][2019 PSC Guidelines])に沿って、0.50%硫黄限度の順守を確実にするために適切な措置をとるべきである。

 具体的には、港湾監視当局は、文書やリモートセンシングや携帯機器を含むその他の可能性のある資料に基づいて初期検査を実施する必要がある。より詳細な検査を実施する明確な根拠を考慮して、PSCは、必要に応じて、規制の順守を検証するためにサンプル分析および他の詳細な検査を実施することができる。

 4.2.2 MARPOL条約付属書VIの第18.2.3規則は締約国に対し、管理措置を講じないことを含め、取るべき行動を決定するために全ての関連する状況および存在する証拠を考慮に入れるよう要求する。行政機関およびPSC当局は0.50%硫黄限度要件の順守を検証する時、実施計画を考慮する事ができる。

 4.2.3. Inspections based on documents and other possible targeting measurements(文書および他の可能な目標測定に基づく検査)

 4.2.3.1 PSCその他の港湾当局による活動中、港湾当局は、2019 PSCガイドラインの第2.1.2項に記載されている文書に基づいて、船舶が適合燃料油またはHSHFOのどちらを使用目的で持っているか検査する必要がある。さらに、港湾当局は、順守を証明するために要請されている記録も確認する必要がある。必要に応じて、リモートセンシングの結果を使用して検査を開始し、携帯機器を初期検査中に使用することができる。

 しかしながら、リモートセンシングおよび携帯機器は、指示的な性質のものであり、不適合の証拠と見なすべきではない。しかし、検査を拡大するための明確な根拠と見なすことができる。

 4.2.3.2 PSCは、船上での使用のために運ばれる(所持している)HSHFOの状況を検討する際に、保持されているBDNおよびIAPP証書とともに第3.2規則、第4規則または第18.2.3規則が適用されるかどうかを判断する必要がある。

 4.2.4 Fuel oil sample analysis

 4.2.4.1 PSCが初期検査に基づいて船舶の不適合が疑われる明確な根拠を特定した場合、PSCは燃料油のサンプルを分析することを要求できる。

 分析に供されるサンプルは、第18.8.2規則に従ってBDNで提供される代表的なサンプル、MARPOL delivered sampleまたは、the 2019 Guideline for onboard sampling for the verification of the sulphur content of fuel oil used on board ship[MEPC.1/Circ.864/Rev.1][in-use fuel oil sample]に従って指定された試料採取箇所からのサンプル、またはPSCによって採取された他のサンプルのいずれかとなる。

 4.2.4.2 MARPOL deliveredサンプルが船から取られる場合、受領書が船に提供されるべきである。MARPOL条約付属書VIの付録VI(Appendix VI)で行われた分析の結果は、その記録のために船舶に通知される。

 4.2.4.3 適合の疑いがあることを検出する際には、4.1.2項に記述されているように、サンプル分析は一様かつ信頼できる方法で行われるべきである。「MARPOL deliveredサンプル」の検証手順は、MARPOL条約付属書VIの付録VI(AppendixVI)※に従わなければならない。船上で採取された他のサンプル、使用中の「in-useサンプル」、および「onboardサンプル」の場合、試験機関からの試験結果が仕様限界+0.59R(Rは試験方法の再現性である)を超えない限り、サンプルは要件を満たしていると見なされるべきであり、そしてさらなる試験は必要ない。

 ※Amendment to MARPOL VI, Appendix VI, Verification procedures for a MARPOL Annex VI fuel oil sample(regulation 18.8.2 or regulation 14.8)の改正は、2020年春に採択されることが予想されている。

 4.2.4.4. 前記のプロセスにもかかわらず、船舶が過度に拘留されたり遅らされたりするのを避けるために、あらゆる可能な努力がなされるべきである。

 特に、燃料油のサンプル分析は、船舶の運航、移動または出発を過度に遅らせるべきではない。

 4.2.4.5 不適合が確立された場合、第18.2.3規則に従って、PSCは、不適合燃料油全ての陸揚げ措置(デバンカー)を含む可能性がある適合性を達成するための適切な措置を講じるまで、船の航行(出港)を妨げることがある。さらに、寄港国は、不適合の燃料油を使用している、または使用のために運搬(保持)している船舶の情報を船舶の行政当局に報告しなければならない。そして、その管轄下にあるBunker Delivery Note(BDN)が発行された締結国および非締結国に、不適合燃料油の事件について知らせ、全ての関連情報を提供する必要がある。

 情報を受け取った場合、欠陥を検出した(知った)当事国は、本ガイドラインの第3.4項(第4.4項?)に従って、その情報をMARPOL条約付属書VIのGISISモジュールに報告しなければならない。

 4.2.4.6 ただし、当事者[港および旗国]は、MARPOL条約付属書VIの第18.2.4規則に従って、目的港(仕向け港)港湾当局の同意を得て、船舶の適合燃料油の燃料補給のための単一航海を許可することができる。単一航海は燃料補給のための一方向で最小であるべきであり、船舶はその船舶に適した最も近い燃料補給施設に直接進む(向かう)当事者[港および旗国]が船舶の単一航海を許可する場合、ポートステートは、船舶の行政(旗国)当局が、承認を与えられた船舶に関する情報および証拠としてのサンプル分析の認証された記録を単一航海に対する承認の目的港の港湾当局に通知したことを確認しなければならない。いったん確認が提供されれば、ポートステートは合意事項として船が航行するのを許可しなければならない。

 4.2.4.7 その他の外洋でのコンプライアンス(順守)の監視ツール

   1.燃料油切り替え計算機 fuel oil changeover calc  ulator.

   2.燃料消費量データ収集システム[決議MEPC.278[70]]

 data collection system for fuel oil consumption of ship.

 (resolution MEPC.278(70))

   3.連続した硫黄酸化物モニタリング continuous SOx monitoring.

 4.3 Control on fuel suppliers

 4.3.1 指定当局は、必要と見なした場合は、バンカーバージまたは陸上のバンカーターミナルから試料を採取し、燃料油を試験すべきである。「MARPOL deliveredサンプル」が、PSCによってテストされるのと同じ方法で、採取され、テストされることができる。サンプルを分析する場合、燃料油のサンプル分析は、船舶の運航、移動または出発を過度に遅らせてはならない。

 4.3.2 不正確なBDNまたは硫黄分の測定なしのBDNの発行などの不適合が発見された場合、指定当局は不適合な供給業者に対して適切な是正措置を講ずるべきである。このような場合、指定当局は、MARPOL条約付属書VIの第18.9.6規則および本ガイドラインの第4.4項に従って、不適合な供給業者の加盟国への伝達のために機構(IMO)に通知すべきである。

 4.4 Information sharing related to non-compliance under MARPOL Annex VI

 4.4.1 締約国が船舶または燃料供給業者の不適合を発見した場合、不適合の情報はMARPOL条約付属書VI GISISモジュールに報告される必要がある。[第11.4規則]

 4.4.2 順守されていない船舶・燃料油供給者に関する情報の公表、または集中情報プラットフォームに登録されるIMOへの報告スキームは、効果的な施行戦略の要素として提案されている。さまざまなPSC体制が、質の悪い船舶・燃料供給業者に関連する情報の公表を不適合の抑止力として使用してきた。また、Port Stateは船舶の拘留をIMOに報告する必要があり、これは将来のPSCの船舶のターゲティングに影響を与える可能性がある。IMO GISISデータベースはすでにMARPOL条約付属書VI規則への不適合に関連する特定の情報を利用可能にしている。

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