2019 日本コンテナ航路一覧
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 印刷 2019年08月13日デイリー版1面

インタビュー 創業70周年の飛躍】ジェネック社長・伊東純一氏/安全・安心のブランド展開

ジェネック社長・伊東純一氏
ジェネック社長・伊東純一氏

 日本郵船グループで北部九州に基盤を有する港湾物流企業、ジェネックは今年、創業70周年を迎えた。同社はアジア大陸に近接した北部九州という地理的なロケーションを生かし、アジア経済の活力を取り込みながら多様で特色のある物流サービスの提供を手掛ける。6月20日付で就任した伊東純一社長に、同社の舵取りを聞いた。(聞き手 高橋郁夫)

■時代の変化に対応

 --まず就任に当たっての抱負を。

 「北部九州を拠点とする当社は、祖業でもある港湾運送に、内航海運、物流を含めた総合物流企業として発展してきた。これらの事業基盤を踏まえつつ、時代の変化に対応しながら一層社業を発展させるのが使命と感じている。その中で、事業領域にかかわらず共通する最重要事項が安全の確保。まずは安全第一の再徹底を図る」

 --港湾運送事業の現況と課題は。

 「当社のコンテナ取扱量は、2018年は博多港が顧客船社の好調な荷動きに支えられ17年比で2割ほど増加した。門司港(北九州港門司地区)もほぼ前の年並みの物量を確保している」

 「博多港全体では18年、外内貿合わせたコンテナ取扱個数が初めて年100万TEUを突破した。北九州港も背後圏のメーカーの輸出入拠点として根強い需給に支えられており、当社もその時流に乗れている形だ。安全、確実な荷役サービスを磨くことで、上昇基調に乗り続けたい」

 「当社が事業基盤を有する北部九州は日本国内で東アジアに最も近く、経済のダイナミズムを取り込んで成長するという地理的優位性を備えている。門司港、博多港、そして大分県の佐伯港で有する基盤を有機的につなげていけるかが課題と考えている」

 「また、個別の港の状況としては、門司港・太刀浦コンテナターミナルが混雑する傾向が強まっており、より効率化を図るための取り組みが必要と考えている。北部九州の各港を見渡しながら、最適な港湾サービス構築を追求していく」

■多様性を強みに

 --物流事業はどうか。

 「アジア域内を中心に、多様な貨物を最適な手段で輸送する総合性が当社の強み。18年は17年比で増収を確保した。今年に入り、携帯電話などの有機ELディスプレーの普及の鈍化、半導体設備出荷が一巡など顕著で、さらに米中や日韓の貿易摩擦の影響も懸念している。一方、船用品や食品など堅調組もおり、今後のチャンスは確実に取り込んでいきたい」

 「港湾、物流、そして後述の内航もそうだが、社会全体での人手不足の影響が日に日に深刻さを増している。実際、新規採用に関してはこれまで福岡県内の在住者が主力で現在も多数を占めるが、近年は九州一円からの採用が増えている。より広域的な募集をかけないと人財確保が困難となってきている」

 「企業の持続性、将来的な発展を図るうえで最も重要なことは次世代を担う人財の確保・養成にほかならない。現場の作業・就労環境の改善など不断の取り組みを続けていく」

 --内航海運業の現況と課題を。

 「内航は大株主である太平洋セメントの海上輸送を中心に展開しているが、堅調な国内建設需要に支えられ18年は取り扱い増となった。19年もほぼ昨年並みの輸送量で推移しており、現在の船隊にスポット用船などで需要に対応している状況だ」

 「当面の課題は目前に迫った船舶SOX(硫黄酸化物)規制対応。当社は現時点では適合油の利用で環境基準をクリアする考えだが、燃油代上昇に伴う運航コスト増加については、顧客との話し合いで適切に転嫁していただけるよう努力する。環境面での対応は時代の要請でもあり、しっかり理解を求めていきたい」

 --最後に、社業発展に向けた取り組み姿勢を。

 「当社は経営方針をより具体化・明確化するため、社員一人一人が目指す会社の姿を樹木に例えた『ジェネックの樹』を掲げてきた。そこで示された、時代の変化と共に進化する、圧倒的な競争力を付ける。安全・安心のジェネックブランドを確立する。そして、安全を礎とし事業展開を図るという方針を引き継ぎ発展させていく。まずは社内外におけるコミュニケーションをより深めたい。それに、変化(チェンジ)・挑戦(チャレンジ)・創造(クリエーション)を加えた『4C』を大切にしながら、社員の多様性を会社の強みとして生かしていきたい」

 いとう・じゅんいち 84(昭和59)年立教大経卒、日本郵船入社。環境グループグループ長代理、名古屋支店長を経て、18年ジェネック常務執行役員。同年取締役常務執行役員。19年6月から現職。57歳。