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 印刷 2019年08月13日デイリー版1面

インドネシア自国船社義務化/海運・石炭業界、反発強める。来年5月発効、見直し訴え

 インドネシア政府が2020年5月1日から石炭・パーム油などの輸出で自国船社の利用を義務付ける新規則を巡り、海運・石炭業界が再び反発を強めている。企業間の自由で公正な競争に委ねる海運自由の原則に反するほか、インドネシア炭の輸出競争力が削がれる恐れがあるためだ。海運業界は関係者と協調し、同規則の見直しを求めていく。

 同規制は商業省令「2018年第48号」。17年10月に発布された商業省令「2017年第82号」が一部改正されたものになる。

 20年5月以降、石炭やパーム油などの輸出業者は「インドネシアの法令に基づいて設立された海運会社」の利用が義務付けられる。

 同規則は当初、18年4月26日に発効する予定だった。だが2年間発効が延期された経緯がある。インドネシアには小規模な海運会社しかなく、石炭などの輸送需要を賄うのは現実的ではないと、事業者から強い反発を招いたためだ。

 例外規定として、同商業省令には「インドネシア船社の輸送可能量が不足または輸送不可能な場合は外国船社の利用が可能」と明記されている。ただ例外措置の基準や手続きは示されていない。施行細則を提示するとみられるガイドラインの公表時期も不明だ。

 日本にとってインドネシアは、豪州に次いで2番目の石炭調達ソースになる。18年はインドネシアから約2887万トンの石炭を輸入した。

 日本向けの海上輸送の大半を邦船勢が担っている。新規則の発効まで一年を切った状況で、仮に新規則が厳格適用されれば、各方面で混乱をきたすことは必至だ。日本船主協会関係者は「海運自由の原則に反する保護主義的な政策には反対する」と主張。国土交通省海事局も「(同規則が)撤廃されるように働きかけていく」と足並みをそろえる。

 同商業省令では貨物保険についてもインドネシアの保険会社を起用することを規定。発効は2度延期されたが、今年2月に発効した。

 インドネシアの石炭業者や同国の炭鉱の権益を保有する商社などへの影響も大きい。インドネシア炭を輸入する場合に、同国船社を利用しなければならないとの条件が付けば、需要家が他国からの輸入に切り替える動きが出てくる恐れもある。

 海運業界は関係省庁や国際海運団体、関連業界などと連携して、同規則の見直し・撤廃を求めていく方針だ。