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 印刷 2019年08月13日デイリー版1面

中東緊張/護衛艦の活動範囲拡大案、海保庁への影響注視

 中東沖での民間商船(日本商船隊)の安全確保策の一案として、ソマリア沖の海賊対策に従事する護衛艦などの活動範囲拡大案が浮上する中、防衛省(自衛隊)と共に任務に当たっている関係省庁の動向が注視される。海賊対策では、船社からの護衛申請窓口を国土交通省海事局外航課が、護衛艦上での司法警察活動に海上保安庁がそれぞれ従事している。仮に中東へも護衛艦の活動範囲が広がった場合には、それに伴う実務の変更も予想される。

 現在、邦船社、船主が保有する日本商船隊は合計約2600隻。中東沖の日本商船隊の安全を誰が確保してくのかの議論が進んでいる。

 両当局関係者は9日、日本海事新聞の取材に対し「情報収集には努めているが、具体的な検討の有無についてのコメントは差し控えたい」と述べるにとどめた。

 ある防衛族議員によると、昨今のホルムズ海峡周辺の治安悪化で、日本の対応策として、すでに海賊対処行動で派遣されている護衛艦やP-3C哨戒機の活動範囲を中東沖へ拡大する案が浮上しているという。

 仮に護衛艦の活動範囲が中東沖まで延びれば、護衛申請窓口の海事局外航課、海賊の逮捕など司法警察活動で護衛艦に同乗している海保庁の実務にも影響が生じる見込みだ。

 両当局関係者は日本海事新聞の取材に「現地の動向などについて、関係省庁と情報収集に努めている」としつつも、護衛艦の派遣範囲拡大の可能性、それに伴う具体的な実務変更などについては明言しなかった。

 2009年以降に本格化したソマリア沖の海賊対策では、海事局外航課が「海賊対策連絡調整室」を設け、船社からの護衛申請窓口を担ってきた。同課では船社と防衛省との間で、連絡・調整役を果たし、現地の航行安全をサポートしてきた。

 また、海保庁は現地に派遣される護衛艦に「ソマリア周辺海域派遣捜査隊」を同乗させ、司法警察活動を展開。海賊被害の減少などを背景に、護衛艦の派遣隻数が2隻から1隻に減った16年12月以降も、海保庁では隊員の人数を8人のまま変えずに任務を遂行してきた。

 自衛隊は海賊対処法に基づき、外国船社が運航する外国籍船であっても護衛艦による警備を展開。今日までに邦船社関係船と合わせ、3800隻以上を護衛してきた。