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 印刷 2019年08月07日デイリー版5面

探訪地方港】高知港/客船ターミナルを新設。おもてなし強化

高知新港にオープンした客船ターミナル
高知新港にオープンした客船ターミナル
乗船客で賑わうターミナル内
乗船客で賑わうターミナル内

 高知港では三里地区の高知新港に2019年3月に客船ターミナルがオープンし、増加するクルーズ船の受け入れ体制が強化された。広さ約1400平方メートル、鉄骨平屋建てのターミナルにはCIQ(税関・入出国管理・検疫)エリアのほか、観光案内や物販スペースを備えた待合ホールなどが設けられ、乗船客がスムーズに市街地へと観光できるようになった。

 客船ターミナルは港湾管理者の高知県が整備した。高知新港のクルーズ船の寄港回数は15年度の8回に対し17年度は40回にまで増えており、一層の寄港誘致に弾みをつけるためターミナル新設に踏み切った。

 港と市中心部を結ぶシャトルバスやタクシーの乗降・待機場、オプショナルツアーで利用する観光バスの乗降場なども併せて整備。乗船客を市街地へとスムーズに繰り出せる環境を整え、総合的な港の価値向上を図った。

 では、施設整備で港の利便性はいかに高まったのか。6月25日、イタリア・コスタクルーズ運航のクルーズ船「コスタネオロマンチカ」が寄港した際の様子を取材した。

 欧州や日本、中国などの乗船客を乗せたコスタネオロマンチカは午前9時すぎに入港。岸壁で入港を歓迎する地元の太鼓グループによる演奏が始まると、船上の乗船客から歓声が上がり、拍手が沸き口笛も鳴り響いた。程なくして、乗船客が次々と港に上陸した。

 下船した乗船客は早速ターミナル施設の観光案内で市内の名所を尋ねたり、物販スペースで買い物を楽しむなどした。物販は10店舗程度のスペースを確保。この日は食品や雑貨など県産品を中心に8店舗が並んだ。

■旅の利便性向上

 以前は岸壁に設営した仮設テントでCIQ手続きなどを行っていたが、施設整備で諸手続きやおもてなしの拠点を確保、サービスの底上げを実現した。施設では両替や無料Wi-Fiサービスなども提供、旅の利便性も高めた。

 県・高知市が運行するシャトルバスのほか、タクシーや運航船社の観光ツアーバスへの接続も、乗降・待機場を設けたことで効率性や機能性が向上。コスタネオロマンチカの乗客は約1400人に達するが、大きな混乱もなく次々とシャトルバスに乗り込んでいった。

 高知新港と市中心部のはりまや橋バスターミナル間を結ぶシャトルバスは10-20分間隔で運行する。乗車時間は約25分で、はりまや橋バスターミナルで降車した乗船客はすぐにお目当ての場所に向かっていった。

 名所であるはりまや橋やひろめ市場、高知城をはじめ、市内にはシャトルバスの利用パスであるリストバンドを身に付けた乗船客があちこちに。高知城では天守閣に登り市内の風景を楽しんだり、写真やビデオに収めたりする光景が見られた。

 この日は試験的に高知城から近隣の香南、土佐両市を結ぶシャトルバスも運行。高知市による中核都市事業の一環で、クルーズ船寄港の経済波及効果を広げる試みも始まっている。

 日中の観光を楽しんだ乗船客は、夕方までに再び高知新港に戻った。午後6時すぎからの出港イベントでは、地元グループによる音楽演奏やよさこい踊りが披露され、すてきなおもてなしの数々に名残を惜しみながら、船は次の寄港地へと旅立っていった。