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 印刷 2019年07月25日デイリー版3面

Close upこの人】国土交通省港湾局長・高田昌行氏/「三方良し」で皆を笑顔に。「現場感覚」強みに政策遂行

国土交通省港湾局長・高田昌行氏
国土交通省港湾局長・高田昌行氏

 国土交通省の港湾技官ポストである港湾局長だが、個々の技官のキャリアパスを見ていくと、東京・霞が関の本省勤務が長い職員、地方整備局勤めや港湾管理者への出向といった地方勤務が目立つ職員、また空港整備が「本職」となる職員など、さまざまなバリエーションがある。

 高田新局長の場合は、本省でその時々の重要な政策課題を担当するポストと、地方整備局を行き来しながら昇進したケース。本省での政策づくりと地方での「実践」を繰り返しながら自らの血肉としてきた。

 「整備局と本省を行き来する中で、現場のニーズを踏まえ、それを実現するために予算や制度を使って法律を必要に応じ改正する。企画・立案、実施を全て行ってきたことが役人として、その時々のポストを通じて世の中に貢献できることが印象深い」と、自身の歩みを振り返り、強みである「現場感覚」への自負をのぞかせる。

 「港湾界で先人が築いた財産をしっかり引き継ぎ(日本の港を)発展させていきたい。言い古されたことだが、島国日本にとって国力の源泉は港湾。島国のレベルはその国の港湾・空港のレベルを超えることはできない。人・モノの出入り口である港を元気にすることで日本は成長できる」と力を込めて語る。

 港湾局は昨年、新しい港湾の中長期政策を策定し、先端技術の導入によるコンテナターミナル、内貿ユニットロードターミナルのリノベーションや、クルーズ船寄港を軸にした地域観光の振興など、多様な視点に基づく港湾の将来像を提示した。

 「国際コンテナ戦略港湾政策を港湾行政の一丁目一番地として進める。日本経済の競争力強化のために、貨物量、コスト、利便性で優位性を備えた港湾を目指し、AI(人工知能)ターミナルの実現による世界最高水準の生産性と良好な労働環境の形成。港湾関連データ基盤の構築などを図り。港湾物流全体の生産性向上を図っていきたい」と、日本港湾のこれからを展望する。

 好きな言葉は「『おかげさまで』の感謝の気持ち、『お天道様が見ている』という自戒、そして『三方良し』。港を元気にすることで周りが笑顔になれるよう、常に意識して励みたい」

 趣味は、学生時代に属していたフォークソング同好会から続くドラム演奏。「軟弱なようで結構硬派なサークルでした。今は(災害発生時に霞が関に即時参集する)危機管理宿舎なので、なかなか練習できないのですが」と笑う。

 「国会対応もあるし、窮屈な生活ですね」と水を向けると、「常に緊張感を持っておかないと。ちょっと緩むと大変なので」と、港湾行政をつかさどる局長の顔に戻った。

 (高橋郁夫)

 たかだ・まさゆき 86(昭和61)年阪大院了、運輸省(現国土交通省)入省。港湾局技術企画課技術企画官、総務課危機管理室長、中国地方整備局港湾空港部長などを経て、12年港湾局産業港湾課長、15年関東地方整備局副局長、18年東北地方整備局長。7月9日付で現職。57歳。