2019 日本コンテナ航路一覧
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 印刷 2019年07月19日デイリー版1面

商船三井近海/ミャンマー向けレール輸送受注、伊藤忠丸紅鉄鋼・住商から。今月開始

商船三井近海が独自開発した吊り具により荷役される鉄道用レール
商船三井近海が独自開発した吊り具により荷役される鉄道用レール

 商船三井近海(永田健一社長)は、伊藤忠丸紅鉄鋼と住友商事からミャンマー国鉄の鉄道改修プロジェクト向けレール輸送を受注した。今月中旬から船積みを開始し、ヤンゴン-マンダレー鉄道(全長620キロメートル)南区間の改修用に日本製レールをミャンマー・ヤンゴン港に輸送。商船三井近海はレール輸送に最適なロングハッチ多目的船、通称「レールフィット」船型22隻の潤沢な船隊を擁しており、独自開発の荷役設備を含め、世界屈指の充実したレール輸送能力が評価された。

 今回のプロジェクトの輸送期間は2019年から21年にわたり、受注数量は3万トン超とみられる。

 第1回航海は日本7月中旬積み-ミャンマー8月上旬揚げを予定。商船三井近海にとって初のミャンマー向け大型輸送プロジェクトとなる。

 今回のレール輸送の対象は、日本のODA(政府開発援助)に基づく円借款を活用し、ミャンマー最大の商業都市ヤンゴンから内陸の首都ネピドー、第2の商業都市マンダレーを結ぶ「ヤンゴン-マンダレー鉄道」を改修・近代化するプロジェクト。

 同路線は設備の老朽化が進み、列車走行速度の低下や脱線事故リスクに直面。ミャンマー国鉄はJRの技術協力など日本のサポートを受け、より安全で高速な列車運行と輸送能力の増強を図り、ミャンマーの経済発展への寄与を目指す。

 商船三井近海が成約したのは同路線の南区間ヤンゴン-タングー工事フェーズ1対象のレール輸送。近日中にフェーズ2の輸送商談も始まる見通し。

 永田社長は「当社が主戦場とするアジア太平洋の国々で進められているインフラ整備事業において、安全で効率的な海上輸送の提供を通じてお客さまのプロジェクトをサポートし、地域の経済や人々の生活の向上に貢献したい」と思いを語る。

■最適船型22隻

 商船三井近海の多目的船隊は、鉄道レール輸送への対応力とクオリティーに定評がある。

 同社の過去10年のレール輸送実績は70万トン超に達し、仕向け地はインドや豪州、ロシア、タイ、台湾、香港、インドネシア、サウジアラビア、カタールなどに広がる。

 最大の特長は、業界屈指のレール輸送対応フリート。03年以降に建造した全ての多目的船を25メートル長レールに対応可能な「レールフィット」船型とし、6月末時点で1万3000-1万7500重量トン級の同船型22隻を運航している。

 商船三井近海の重量物担当者は、レール輸送対応船型について「他船社の2倍以上の規模であり、この点が当社の圧倒的なアドバンテージ」と話す。

 レールフィット船型は、大きさ均等の2ホールド・2ハッチ仕様を採用し、長さ29メートル強のロングハッチとクレーン2基体制により、レールや鉄道車両などの長尺貨物を安全・効率的に積載できる。

 レール輸送では、国内鉄鋼メーカーからのピンポイントの配船要請への対応が求められる。10隻未満の小規模フリートでは、1万トン以上の大ロット案件は対応が難しく、商船三井は20隻強の潤沢なレールフィット船隊により、輸送船の前航海で遅れが生じた場合でも、機動的に船を入れ替えて配船対応できる。

■吊り具独自開発

 荷役クオリティー向上も追求している。

 レール輸送は案件ごとに条件が異なり、荷姿も3本結束や5本結束、正立・正倒立などさまざま。揚げ地の荷役方法もバース直揚げやトレーラー・貨車・バージ直揚げなど各地で異なる。

 このため多目的船社は揚げ地の事前調査を含め、より安全で効率的な荷役方法を検討して荷主に提案することが欠かせない。

 商船三井近海は、過去の輸送経験を踏まえて、レールの各荷姿に最適な荷役方法を追求し、国内の鉄工所と協力して独自の貨物吊り具の改良や開発を進めている。

 三俣貴士重量物営業グループ長は「運航船隊、そして積み重ねてきた経験を強みとして最大限に生かし、ビジネスチャンスを広げていく」と意気込みを語る。