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 印刷 2019年07月18日デイリー版1面

インタビュー 主要旗国の戦略】リスカCOO・アルフォンソ・カスティジェーロ氏/グローバル網を拡大

リスカCOO・アルフォンソ・カスティジェーロ氏
リスカCOO・アルフォンソ・カスティジェーロ氏

 リベリア船籍の主官庁業務を手掛けるリスカ(LISCR、本社・米国バージニア州)のアルフォンソ・カスティジェーロCOO(最高執行責任者)は本紙取材に応じ、登録増加に向けた戦略などを説明。「グローバルネットワークの拡大を図る」とし、今月16日に開設した今治事務所(愛媛県)での取り組みなどを強化していく方針を示した。

(聞き手 鈴木隆史)

 --船籍業務の方針は。

 「旗国は登録するだけでなく、船主の日々の管理業務の負担を軽減し、船舶の運航効率アップのサポートをする責任がある」

 「当社ではさまざまな投資を行ってきたが、最先端のサービス提供という形で還元している」

■今治に新事務所

 --登録増加に向けた戦略は。

 「登録隻数の増加は世界的なプレゼンスの拡大によるところが大きい。これまで焦点を当ててこなかった市場にも着目し、今年は躍進したい」

 「日本では東京に次ぐ2番目の拠点として、今月16日に愛媛県今治市に事務所を開いた。世界規模でのインフラを確保する取り組みの一環だ」

 「適宜、事務所の新設を検討していく。人員も増強し、24時間・365日対応可能なグローバルネットワークの拡大を図る」

■中国と関係深化へ

 --登録することで享受できるサービスは。

 「PSC(ポートステートコントロール、寄港国検査)対策では、検査の厳しい海域でLRIT(船舶長距離識別追跡装置)を使い、ディテンション(拘留)を防ぐサービスを提供している」

 「PSC検船に不安を覚える場合、当社の旗国検査官の派遣も可能。こうしたプロアクティブなサービスは完全に電子化されており、煩わしさもなく、追加費用も発生しない」

 「MLC(海上労働安全条約)やISM(国際安全管理)コード、ISPS(国際船舶および港湾施設保安)コードなどで重複する事項に対しても、特別な訓練を受けた検査官が効果的に対応することができる」

 「リベリアはIMO(国際海事機関)や主要なPSC組織のホワイトリストに入っている。USCG(米国沿岸警備隊)が定めるクオリシップ21で優良との認定(2019-20年)も受けたところだ」

 「主要な揚げ地の中国との間では、リベリア本国政府が海上輸送に関する協定を締結し、リベリア籍船には中国入港税が28%減免されている。この協定は先般、5年間の延長となった」

 「今後は港湾管理、乗組員訓練、規制などの分野でも協力関係を深めていく。そのために、中国と技術協力委員会を設立することも合意されている」

 「主要な旗国の中には、中国との外交関係を持たない国もある。そうしたところとリベリアは一線を画し、中国入港に関して、明らかな優位性がある」

 --IMOでの取り組みは。

 「リベリアはIMOで常任理事国を務め、海事分野をリードしてきた。MEPC(海洋環境保護委員会)やMSC(海上安全委員会)などの会合に出席し、海事分野の安全・環境の問題に対し、指導的役割を果たしている」

 「リベリアは、IMO加盟の174カ国の中でもひと握りの有力な国の一つ。そのため、国際規制や基準などについて、リベリア船籍登録の船主は最高レベルの助言とサポートを受けることができると確信している」

■適合油の報告要請

 --20年からのSOx(硫黄酸化物)排出規制強化への対応は。

 「SOx規制では船主やオペレーター(運航船社)が規制対応を円滑に行えるよう、リベリアはMEPCに規制適合燃料油の手配・入手可能性について、早期に報告を求める文書を提出した」

 「われわれは船主の利益を念頭に置き、業界のニーズを反映するスマートな規制となるようIMOで主張している」

 「船主の規制対応のコスト管理を支援し、責任ある旗国としての役割を果たしていきたい」

 Alfonso Castillero 国際海事規制の分野で20年以上のキャリアを有する。元パナマ海事局長。14年にリスカ移籍、副社長を経て19年3月から現職。