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 印刷 2019年07月17日デイリー版1面

NBP/モジュール船でブレード輸送。風発関連、取り込み強化

NBPはモジュール船で風車のブレードを初めて輸送した
NBPはモジュール船で風車のブレードを初めて輸送した

 日本郵船グループで在来貨物・重量貨物輸送を手掛けるNYKバルク・プロジェクト(NBP)は、風力発電関連貨物の取り込みを強化している。同社はこのほど、モジュール船で初めて風車のブレード(羽の部分)を輸送した。在来船(多目的船)や重量物船に加えてモジュール船も活用し、「風力発電関連カーゴの輸送需要の高まりとニーズの変化に対応していく」(森本政博執行役員)方針だ。

 甲板(デッキ)上に57本のブレードを積載した1万9800重量トン型のモジュール船「YAMATAI」が、6月中旬にスペインのフェロル港を出港。7月初旬にウクライナのベルジャンシク港に到着した。

 ベルジャンシク港で荷揚げされた風車19基分のブレードは、ウクライナのザポリージャ市で建設中の「プリモルスカヤIIウィンドファーム」で風車に組み立てられる。

 風力発電用の風車の輸送には通常、多目的船が起用されることが多い。デッキ上にブレードを載せて、貨物倉にブレードの回転を電気に変える機器類などを内蔵したナセルを積んで輸送される。

 ただ最近はブレードなどのカーゴが長尺化、大ロット化し、多目的船では物理的に対応が難しいケースが増えつつあるという。風車の大型化が顕著になっているためだ。

 NBPは今回、同社の高い技術力をベースに、広いデッキスペースを持つモジュール船の特長を生かしたソリューションを提案。欧州の大手風力発電機メーカーに評価され、輸送契約を獲得した。

 モジュール船は、石油化学やLNG(液化天然ガス)プラントを構成する構造物(モジュール)などを運ぶ特殊船。船上に荷役装置は持たず、広くて平らなデッキを持つことが特徴だ。

 「YAMATAI」のデッキスペースは長さ130メートル、幅38メートル。今回は長さ68・65メートルのブレードを2本縦列で積載することで、ブレードの大量一括輸送を実現した。

 モジュール船は特殊な重量物船のため、日本には2隻しかなく、いずれもNBPが運航している。

 「YAMATAI」「YAMATO」の2隻のモジュール船は、最近では豪ゴーゴンや豪イクシス、露ヤマルなど各LNGプロジェクト向けプラントの輸送で活躍。「YAMATO」は現在、石油化学プラント向けの輸送に従事している。

 風のエネルギーを電気エネルギーに変える風力発電は、環境に優しい再生可能エネルギーとして、世界各地でプロジェクトが進められている。

 NBPは、同社の前身の日之出汽船時代から風力発電関連貨物の輸送に携わってきた豊富な経験と実績がある。

 長年にわたり蓄積してきた知見やノウハウを基に、モジュール船もサービスメニューに加えることで、輸送ニーズの高まりや多様化に応える。

 NBPの多目的船、重量物船の運航船隊はモジュール船も含め約40隻。吊り上げ能力450トンを誇る重量物船2隻(「KIBI」「KAMO」)は、700-800トン吊りへの代替更新を検討している。