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 印刷 2019年07月16日デイリー版1面

ホルムズ緊迫/FOC船も警護を。防衛族議員、「対象」巡り。日本関連船2100隻

 米国とイランとの緊張が高まる中、米国が中東ホルムズ海峡付近などの安全確保のために同盟国の軍などと有志連合の結成を目指す方針を示した。中東に石油を依存する国々が自国船を守るように求めており、日本も対応を迫られそうだ。こうした状況を受け、海事振興連盟に所属する防衛族議員は日本船籍だけではなく、日本の海運会社が支配するFOC(便宜置籍)船も守るべきだと主張する。

 FOC船とは船籍国を税制や船員の配乗規則に対応しやすい外国籍に置く船のこと。欧州や日本などの海運会社は、先進国に比べ賃金の安い外国人船員をFOC船などに乗せることができる。

 国土交通省の統計などによると、現在、日本商船隊は約2500隻。そのうち、日本籍船は約260隻、緊急時の日本籍へのフラッグ・バック(転籍)を前提とする外国籍船の「準日本籍船」が64隻。それ以外の純粋な外国籍船が約2100隻を占める。

 日本船社のFOC船を日本政府が護衛の対象とするかどうかという問題は、この2100隻の日本商船隊を守るかどうかという議論になる。

 防衛政務官を経験したある議員は「(6月13日にホルムズ海峡で攻撃を受けた)国華産業が運航していた船舶はパナマ船籍だ。いわゆるFOC船である。日本船籍でもなく日本船員も乗船してない。だが、日本の企業が運航していることから実質支配船として一体的に考えないといけない。例えば海上警備行動を活用するのも一つの手だ」と主張。シーレーン(海上交通路)を防衛する必要があると指摘する。

 有志連合に自衛隊を派遣するには法的根拠が必要となる。同法に基づき防衛相が海上警備行動を発令すれば、海上での人命や治安維持のために、自衛艦などによる日本船籍や日本人が乗船したFOC船、日本船社が運航するFOC船なども保護対象となる。6月に攻撃を受けた「国華産業」が運航するタンカー「コクカ・カレイジャス」(パナマ船籍)も同様に対象となる。

 外交防衛委員を務める中西哲参院議員は「まずは日本とイランとの信頼関係を築くのが先決だ。さらに言えば、有志連合に入る、入らないにかかわらず、日本政府は日本船籍の船舶もちろんのことFOC船であっても(日本の海運会社が実質支配する船舶であれば)守る方策を考えるべきだ。そうしないとわが国のエネルギー政策が立ち行かなくなる」と訴える。

 またホルムズ海峡が機雷で封鎖された場合には「西アフリカや紅海を通過するサウジアラビアなど、ほかの供給ルートを確保しなければならない」と話した。

 菅義偉官房長官は12日の会見で、米国から有志連合の参加について要請があったかどうかを問われると「イラン情勢については日米間でやりとりしている。内容については控えたい」と引き続き明言を避けた。