シップオーナーズ・フォーラム2019
 印刷 2019年07月12日デイリー版3面

MariTech 海事未来図】HSBC/ブロックチェーンで電子LC。中東流通大手とPF連携

 香港金融最大手HSBCグループはブロックチェーン(分散型台帳)技術を利用した、信用状(LC)の電子化を進めている。このほど、中東流通大手ランドマークグループと提携。HSBCなど複数の国際金融機関が参画する貿易情報プラットフォーム(PF)「ボルトロン」(Voltron)と、ランドマークのPF「リチェーンミー」を連携させ、香港-アラブ首長国連邦(UAE)間の貿易で、電子LCを処理した。

 ボルトロンがブロックチェーンを採用した他の情報PFとの連携するのは初。UAE向けの輸送で電子LCを発行したのも初となる。取引は6月に完了した。

 今回の取引では、輸出者として香港商社ビーディーインダストリーズ、輸入者としてランドマークグループの家族向けブランド企業ベビーショップが参加。2つの情報PFを連携させ、輸出入者、物流パートナーに対して取引情報を可視化した。これにより、一連の貿易手続きの処理時間は従来比40%減の12日まで短縮できたという。実際の書類も削減し、大幅な業務効率化も実現したという。

 ランドマークグループでは「実物流と金融サプライチェーンの両面で、ブロックチェーンのような新技術を活用することで、市場への商品供給を迅速化し、中東流通業界のデジタル化、顧客への提供価値向上を実現する」とコメントしている。

 HSBCなどアジア・欧米大手金融機関が参画するコンソーシアムは昨年、ブロックチェーンに強みを持つIT企業R3の「コルダ」を基盤とする情報PF「ボルトロン」を整備。LCなど貿易書類の電子化を推進してきた。

 HSBCはこれまでにもボルトロンを活用し、インド発米向け化学品輸送などで、BL(船荷証券)まで含めた貿易書類電子化を実現している。