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 印刷 2019年07月11日デイリー版1面

IMO2020 SOx規制】適合油調達価格/BAFとギャップ懸念。プラッツ対MGOマイナスα

 船舶SOX(硫黄酸化物)規制を巡り、海運各社が規制適合油の調達価格と運賃のBAF(燃料油割増金)のギャップ発生を懸念している。現在、主要船社は2019年度下期(10月-20年3月)分の適合油をマリンガスオイル(MGO)マイナスアルファの指標連動価格で調達。一方、BAFの多くは米調査大手S&Pグローバル・プラッツの新しい硫黄分0・5%燃料指標との連動が想定されている。海運会社が異なる基準価格の狭間で費用リスクを負う可能性がある。

 主要船社と欧米の石油メジャーは5月ごろから、世界最大の補油地シンガポールを皮切りに適合油の調達交渉を本格始動。運航船の燃料切り替えが始まる今秋以降の調達分を対象に、MGO指標マイナスアルファまたは高硫黄C重油指標プラスアルファのインデックス連動方式を前提に交渉が進んでいる。

 一連の値決めで、MGOやC重油という従来油種の指標がベースとなっている理由は、新規格であるSOX規制適合油の価格指標がまだ確立されていないためだ。

 プラッツは今月1日から規制適合油の硫黄分0・5%バンカー(舶用燃料油)指標の公表を開始。しかし、足元は実際の取引がほとんどないため、「まだ価格が低く、秋以降に上昇していくのではないか」(邦船の燃料担当者)という声がある。

 先週末時点のプラッツ0・5%バンカー指標のシンガポール価格はトン当たり525ドル(デリバードベース)。硫黄分0・1%のMGO価格590ドルとの値差が65ドルとなっている。

 主要船社の調達価格は不明だが、先週末のプラッツ指標と比較すると、各社が合意済みの調達コストの方にやや割高感が出るようだ。邦船大手のバンカー消費量は年300万トン強。仮にBAFと調達にトン当たり10ドルの値差が生じれば、年3000万ドル(30億円)強の費用負担リスクにつながる。

 運賃に燃料価格変動を反映するBAFは伝統的にプラッツ指標との連動方式が多い。現在はプラッツのC重油指標を基準とし、秋以降に0・5%バンカー指標に切り替わっていく見通し。

 BAFの基準価格を調達と同様にMGOマイナスアルファとする方法もあるが、邦船社の燃料担当者は「これまでの慣習を変更することを、荷主に納得してもらうのは簡単ではない」と話す。