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 印刷 2019年07月11日デイリー版2面

船舶用燃料/20年はMGO主流に。適合油の供給不足・品質不安で

 船舶SOX(硫黄酸化物)規制の発効直後は、船舶用燃料にMGO(マリンガスオイル)などの留出油を選択する船社が増える模様だ。規制適合油の供給が限られる上、混合安定性が不安視されているためだ。留出油は残渣(ざんさ)油ベースの適合油よりも割高なため、船社経営を圧迫する可能性もありそうだ。

 米調査大手S&Pグローバル・プラッツが9日に東京都内で開いたセミナーで、同社の石油市場アナリストのJY・リム氏が展望した。

 リム氏は2020年の船舶用燃料の需要予測を提示。MGOなどの留出油が全体の42%を占め、硫黄分0・5%以下の残渣油系適合油の39%を上回るとの見方を示した。

 20年1月時点でスクラバー(排ガス浄化装置)搭載船は2200隻と予測する。スクラバー搭載船向けの高硫黄油の需要は日量500万バレルで、全体の10%を占める見込み。LNG(液化天然ガス)は4%と見通す。

 17年の燃料別の内訳については、スクラバー非搭載船向けの高硫黄油が69%と全体の7割近くを占め、留出油が28%、LNGが3%だった。

 25年になると、供給能力拡充と信頼性向上により、残渣油系適合油が42%へ上昇。スクラバー搭載船向けの高硫黄油も26%に増えると見通す。一方で、留出油は27%に減退する見込み。LNGは5%と予想する。

 30年にはスクラバー搭載船向けの高硫黄油の需要が30%を占有。残渣油系適合油は36%に減退し、留出油は27%で横ばいと予想する。LNGは7%に増えると見通す。