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 印刷 2019年07月11日デイリー版3面

東京湾/羽田周辺を錨泊制限へ。走錨対策。荒天時、退去命令も

 第三管区海上保安本部(横浜市)はこのほど、東京湾海難防止協会と連携し、東京湾周辺海域を対象にした走錨事故防止対策を盛り込んだ中間取りまとめを公表した。羽田空港周囲2カイリ(3・7キロ)を「錨泊制限海域」として設定。港則法に基づき、荒天時には船舶に対して錨泊自粛を勧告できるとともに、従わない場合は退去命令も下せる。

 昨年、発生した台風21号による強風で走錨したタンカーが関西国際空港連絡橋に衝突した事故を受け、海上保安庁は10月、再発防止に向けた有識者検討会を設置し、全国の海域で走錨事故防止を図ることが必要であるとの報告書をまとめた。これを受けて、三管本部は東京湾海難防止協会とともに委員会を設置し、東京周辺海域での走錨事故防止対策を検討してきた。

 中間報告では、東京国際空港周囲2カイリを必要に応じて船舶の錨泊や航行などを制限できる「錨泊制限海域」として設定。錨泊自粛の勧告と退去命令もできる。

 また、海上シーバス(JERA扇島、東京ガス扇島LNG〈液化天然ガス〉バース)、Y1・Y2錨地の周辺海域2カイリを「走錨対策強化海域」に設定した。巡視船艇による指導を行うほか、重点的に警戒する。同法に基づき、走錨対策強化の勧告を発令し、勧告に従わない場合は、走錨対策強化措置を命令することができる。

 川崎人工島(風の塔)や木更津人口島(海ほたる)を含む東京湾アクアラインの周囲海域2カイリは「錨泊注意海域」に設定。海保庁がAIS(船舶自動識別装置)やカメラ、レーダーによる監視や無線で注意を呼び掛ける。具体的には行政指導として船舶、オペレーター、船舶代理店などに注意喚起し、走錨事故対策ついて指導を行う。

 このほか、コスモ石油第2、京葉、京浜川崎などの海上シーバスについては、東京湾海上交通センターによる監視警戒や情報提供を実施する。

 委員会では今後、2020年東京五輪・パラリンピック競技大会を踏まえた事故防止対策を取りまとめる予定だ。