2019 日本コンテナ航路一覧
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 印刷 2019年07月02日デイリー版4面

記者の視点】梶原幸絵:FW業界再編へ/船社も総合物流に舵

 フォワーディング(FW)業界で規模拡大を追求する動きが改めて鮮明になっている。日本通運の2018年度の海上貨物取扱量は約65万TEU、航空貨物は88万トン。2月に発表した「2037年ビジョン」の取り扱い目標として、海上貨物200万TEU、航空貨物200万トンを打ち出した。

 近鉄エクスプレスは18年度の海上貨物70万TEU、航空貨物60万トンから、5月発表の「長期ビジョン」で海上貨物100万TEU以上、航空貨物100万トン以上を目指す。郵船ロジスティクスは18年度の海上貨物約82万TEU、航空貨物約38万トンを25年度に海上貨物170万TEU、航空貨物71万トンに引き上げる計画だ。

 日立物流は他社と協業する「協創戦略」の下、エーアイテイー(AIT)と資本・業務提携し、フォワーディング事業を大手3社に匹敵する規模に拡大した。日立物流バンテックフォワーディング(VHF)を含めたグループ全体の18年度のフォワーディング取扱量とAITの取扱量を合算すると、海上貨物は約76万TEUとなる。

 フォワーディングでは、キャリアーとの運賃・スペース交渉などで規模の経済が強く働く。物量が増えれば、それだけ競争力が増す。コントラクトロジスティクス(CL、物流一括受託)との相乗効果も見込める。

 船社の集約やサプライチェーンの統合管理の必要性からフォワーディング市場が広がっているとはいえ、日本発着だけで大きく成長していくことは難しい。成長を海外に求めようとすれば、一定以上の物量が必須になる。各社の発表資料を見ていると、国際物流のベースといえる海上貨物ではおおむね100万TEU以上が目安だろう。

 欧米のメガフォワーダーの物量はそれをはるかに上回る。海上貨物で見ると、最大手のキューネ・アンド・ナーゲル(KN)の18年の取扱量は約470万TEU。ドイツポストDHLは約323万TEU、DBシェンカーは約220万TEUだ。さらに、このトップ3を追いかける2番手グループを中心に、数年ぶりに大型再編が進む気配が見えてきた。

 台風の目はデンマークDSVだ。もともと同国内の陸送事業者10社によって誕生したが、00年代以降フォワーディング事業でM&A(合併・買収)を繰り返し、今ではフォワーディングが事業別の売上構成比で最大シェアを占めている。

 昨年、蘭シーバロジスティクスの買収を断念したが、今年4月にパナルピナの買収で合意。パナルピナは当初買収に抵抗を示し、中東のアジリティーとの提携を模索していたが、最終的には同社との協議を事実上打ち切った。これにより、統合会社「DSVパナルピナ」の物量は両社単純合算で海上貨物は約292万TEU、航空貨物は約173万トンと、ドイツポストDHL、KN、DBシェンカーのトップ3に迫る規模になる。

 コンテナ船社による再編が進む可能性もある。CMA-CGMは戦略的提携関係にあったシーバロジスティクスを4月、TOB(株式公開買い付け)により買収した。最大手のマースクも総合物流志向を強め、差別化を図ろうとしており、これらコンテナ船社によるフォワーダー買収の臆測が広がっている。日系フォワーダーもこうした動きと無縁ではなさそうだ。