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 印刷 2019年06月27日デイリー版1面

本瓦造船/新ケミカル船きょう竣工。徳山海陸向け内航船、特許採用第2船

試乗会で航行する「徳鳳丸」
試乗会で航行する「徳鳳丸」

 内航船建造を手掛ける本瓦造船(本社・広島県福山市)は27日、499総トン型ケミカル(液体化学製品)船の新船型第2船を竣工する。同船は徳山海陸運送向けの「徳鳳丸」で、化学メーカーのトクヤマのカセイソーダ輸送に投入される。新船型は特許を取得済みの「トップサイドタンク」を採用することで、総トン数などを変えずに復原性基準をクリアするのが特徴だ。

 本瓦造船は25日、徳山海陸運送をはじめ取引のある船主などを本瓦造船第2工場に招き、新船型の試乗会を開いた。

 新船型は、カーゴタンクの両サイド(船側部)上部「トップサイドタンク」を設置。これにより、液体貨物の表面(自由表面)が95%積載時に最小となることで、復原性が大幅に向上するほか、航海中の液体貨物の動揺を抑制する。

 試乗会に参加した徳山海陸運送の工務担当者は「従来の船型は液体貨物の自由表面が大きく、貨物の動揺でタンクの内壁が損傷するケースがあった」と指摘。その上で、新船型のメリットについて「貨物の動揺が抑制されることで、タンクへのダメージ軽減が見込める点が特に大きい」と話した。

 新船型は「トップサイドタンク」の導入により、主要寸法、総トン数、積載量などを変えず、復原性基準をクリアできる。居住設備の基準強化により、従来船型で復原性基準を満たすには、総トン数拡大や積載量削減などを行う必要があった。また補強材をタンク内に収めることができるため、上甲板上の大部分がフラット形状になり、乗組員の通行の安全性・作業効率改善につながる。

 新船型が対象とするのは、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム溶液、リン酸、硫酸など比重の大きい液体貨物輸送。第1船は先月14日に山根海運に引き渡され、第3船についても近く正式に建造契約を結ぶ。

 本瓦誠社長は「古くからお付き合いのある船主の皆さんが試乗会にお越し下さり、新船型に一定の興味を持っていただいている。新船型は問い合わせが着実に増えており、今後は新しい顧客にも提案していきたい」と語り、さらなる受注拡大を目指す。