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 印刷 2019年06月14日デイリー版3面

東京海上日動など/カーゴクレーム、「日頃の証拠収集重要」。都内で基礎セミナー

国際物流関係者ら約150人が参加
国際物流関係者ら約150人が参加

 東京海上日動火災保険と保険代理店のインターリンク、中小NVOCC(海上利用運送業者)を支援するNPO法人、外航利用運送事業者倶楽部(NVOCCクラブ)は12日、東京都内でカーゴクレーム(損害賠償請求)の基礎を紹介するセミナーを開いた。岡部・山口法律事務所の仁井稔大弁護士はカーゴクレームで荷主が証明すべきポイントとして 1.運送契約 2.運送人の責任区間での事故の発生 3.損害の発生、を証明方法を含め詳細に解説。クレームに対して運送人は 1.時効 2.クレームノーティスの正確性 3.責任は責任制限金額まで-の点で抗弁すると説明した。

 仁井弁護士は「カーゴクレームの勝敗は、どれだけ証拠書類がそろっているかで決まる」と話し、荷主は事故時に備えて日頃から証拠を収集し、荷主であり運送人でもあるNVOCCは損害の証明と抗弁のそれぞれのポイントを確認する重要性を強調した。

 同弁護士によると、運送契約の証明には、BL(船荷証券)などの表面と裏面をスキャンして保存しておくといった対策が必要だ。運送人の責任区間での事故の発生を立証するには、BLやバンニングレポートなどで運送開始時に貨物が正常だったことと、運送終了時の異常を証明しなければならない。終了時の異常は貨物の損傷とその貨物を特定できる撮影時期の分かる写真やカーゴボートノート(到着時状況報告書)、EIR(機器受渡証)など第三者が作成したリマーク書類などで証明できる。

 損害の発生は、写真や保険会社が手配するサーベイヤー(鑑定人)の検査報告書などで証明する。サーベイヤーの検査は事故後速やかに行うことが重要だという。加えて、客観的・科学的根拠のある損害に関する見解書、事故後の貨物の最終処理の証明など高いレベルの証明が要求される。

 運送人が抗弁するに当たって時効に関して注意すべきは、運送人が荷主に損害を賠償し、船社など実運送者に再求償する場合は時効は延長できることだという。

 クレームノーティスは、航空運送では貨物受領時から7日または14日以内に提出しなければ損害賠償請求権を失うことに注意が必要だ。昨年の台風21号による関西空港の被災時、クレームノーティスを出しておらず請求権を失うケースもあったという。

 セミナーでは仁井弁護士に続き、東京海上日動の担当者が登壇。外航貨物海上保険の必要性とインコタームズ、貨物保険の補償範囲を紹介した。

 東京海上日動など3社は「荷主と運送人の責任範囲」をテーマに定期的にセミナーを開いているが、今回はその基礎編として初めて開催。NVOCCはじめ国際物流関係者約150人が参加した。