2019 日本コンテナ航路一覧
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 印刷 2019年06月07日デイリー版2面

MariTech 海事未来図】富士通/燃費向上にAI活用。最適航路提案アプリ開発

 富士通は6日、ノルウェーのコングスベルグ・デジタルと共同で温室効果ガス(GHG)排出低減に向け、AI(人工知能)を活用したVFO(船舶燃料最適化)サービスを提供すると発表した。ウェブアプリとしてリリースするため、大きな出費が伴う船上機器の設置は必要ない。AIが提案する最適航路を航行することで、燃費コストを削減させ、GHGの排出を抑えることを狙う。

 VFOサービスは、自動船舶識別装置(AIS)のオープンデータを利用して富士通研究所が開発した航路最適化ウェブアプリのプロトタイプ。AIが船長による操船と船舶性能を学習し、これに風、波、海流といった気象・海象予報と組み合わせて、エネルギー効率や安全と収益性を最大化させた最適航路を提案する。

 AIから出されたプランに船長や陸上管理者が従うことで省エネ運航が継続的に行われるようになり、船舶の収益性向上へつながることが期待されている。

 今後は航海中に記録したエンジンのログやセンサーデータなども活用したサービスも提供していく予定だ。

 2020年1月から船舶の燃料油に含まれる硫黄分濃度を0・5%以下とする国際的な環境規制が始まることを受け、海運業界は燃料コストの上昇が課題となっている。

 富士通は「現行の世界の燃料備蓄を、IMO(国際海事機関)が要求する新条件を満たす燃料に置き換えた場合、セクター全体で350億ドルのコスト増となる」とした市場予測を紹介し、燃料コストの低減がより重要になっていくことを示した。

 同社は海上交通管制や運航船舶向けの安全運航支援ソリューションの実用化に向けて取り組んでおり、今年4月には富士通研究所が開発したAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」を使い、シンガポール海峡の海上交通リスクを分析する実証実験を実施した。さらに、高感度赤外線カメラとAIによる画像処理技術と組み合わせた障害物の検知システムの開発も進められている。