2019 日本コンテナ航路一覧
 印刷 2019年05月28日デイリー版2面

MariTech 海事未来図】インマルサット/高速海事衛星通信サービス、採用隻数7000隻突破

取材に応じるインマルサットのパンケン氏
取材に応じるインマルサットのパンケン氏

 移動体衛星通信サービス大手、英インマルサットのガートヤン・パンケン一般商船担当副社長は24日、愛媛県今治市で開催されている国際海事展「バリシップ2019」の会場で本紙記者の取材に応じ、同社が提供する高速海事衛星通信サービス「フリート・エクスプレス(FX)」の採用隻数が7000隻を突破したことを明らかにした。

 パンケン氏はフリート・エクスプレスについて「VSAT分野で一番成長しているサービスだ」と語る。

 同サービスは高速通信が可能なKaバンド(20ギガ-30ギガヘルツの周波数帯域)と、天候に左右されにくいLバンドギガヘルツの周波数帯域)を組み合わせることによって、高速性と安定性の両方を確保しているのが特徴。

 「船舶IoT(モノのインターネット化)や自律運航船を実現させるためには、衛星通信の接続性を担保する必要がある」とパンケン氏は話す。

 インマルサットでは2007年からLバンドの第4世代サービス「フリート・ブロードバンド」(FB)を、15年からはKaバンドの第5世代通信サービス「グローバル・エクスプレス」(GX)の提供を開始しており、これらのシステムを活用することでフリート・エクスプレスのネットワークを構築することができた。

 「(FX)は大手海運グループの船舶だけでなく、漁業調査船や海洋掘削船といったものにも採用されている」とパンケン氏は話す。さらに「日本の造船産業は非常に優れている。今後、衛星を使用した船陸間通信の高速化を進めていくには、造船も含めた企業や研究機関の幅広い連携が必要」との考えも示した。

 また、「運航効率を上げるためには船員の福利厚生が重要だ」と述べ、「船上からYouTubeやFacebookといったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)への接続を可能にするなど、クルーのニーズにも応えていきたい」と語った。