2019 日本コンテナ航路一覧
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 印刷 2019年05月16日デイリー版1面

サノヤス/国内初、LNG焚きチップ船。コンセプトデザイン、AiP取得

LNG燃料木材チップ船(イメージ)
LNG燃料木材チップ船(イメージ)

 サノヤスホールディングス(HD)は15日、連結子会社のサノヤス造船がLNG(液化天然ガス)を燃料とする木材チップ船のコンセプトデザインを完成させ、概念設計承認(AiP)を日本海事協会(NK)から取得したと発表した。対象船型は積載容量430万CFT(立方フィート)型で、長距離航路への投入を想定している。実現すればLNG焚(だ)きのチップ船は国内初。

 チップ船は日本の製紙会社が木材チップを輸入するために開発された特殊船で、積み地と揚げ地が限られていることから、サノヤスの営業担当者は「LNGサプライの面から、他の船型に比べて導入に現実味がある」と意気込む。

 長距離の航行を想定するため、ガス燃料タンクの大きさやカーゴのキャパシティーに関して検討課題は残るものの、新船型というアドバルーンを上げることで、環境規制に対応した新しい選択肢をマーケットに提示することも狙いの一つだという。

 2017年末時点で日本の製紙会社が海運会社と定期用船契約を結ぶチップ船は69隻。このうち船齢20年超の高齢船は7隻あり、代替更新の需要が見込まれている。

 新船型ではLNG燃料タンクは居住区の船尾側に配置し、貨物容積を確保。さらに深さ方向のスペースを有効活用し、LNG燃料供給システム(FGSS)を機関室付近に格納する。装備するLNG燃料タンクと燃料供給システムの設計、製造、設置は全て自社で賄うことを想定している。

 サノヤス造船は住友精化と共同で4サイクル中速2元燃料機関用の低圧FGSSを開発しており、同技術を大型LNG燃料船にも応用していく考えだ。

 上田孝社長は昨年9月の会見で「将来的にLNG燃料船の建造を目指している」ことを明らかにしていた。

 同社では今回LNG燃料チップ船がAiPを取得したことにより、LNG燃料技術をバルカーや石炭船といった他船種へも展開が可能になったとしている。

 LNG燃料船を巡っては、昨年3月に日本郵船と大島造船所が、LNG燃料仕様のポストパナマックス型バルカーを共同開発したことを発表している。また、商船三井もLNG燃料船の実用化に向けた研究に注力しており、資源大手などとのLNG燃料ケープサイズ共同研究のほか、2万TEU型コンテナ船のLNG燃料対応改造設計と、石炭専用船でのLNG燃料対応設計でそれぞれ基本承認を取得している。