電子版6つのNEW
 印刷 2019年05月15日デイリー版1面

日本郵船/技術解決策を提供。営業チーム新設、海事業界に貢献。イノベーション追求

(左から)六呂田チーム長、鹿島経営委員、川口グループ長
(左から)六呂田チーム長、鹿島経営委員、川口グループ長

 日本郵船は4月1日付でドライバルク輸送品質グループの中に「技術ソリューション営業チーム」を新設した。これまで培ってきた知見やノウハウを生かし、輸送効率向上や船質の改善など、海事クラスターが抱える課題に対し解決策を提供する。六呂田高広チーム長は「手持ちのノウハウなどをてこに、新たなビジネスの創出や既存ビジネスの収益性向上といったイノベーションを追求したい」と意気込みを語る。(鈴木隆史)

 同チームでは顧客が抱えるさまざまな課題・ニーズをくみ取り、関連部署と連携し、適切なソリューションを提供していく。すでに複数の案件が進行中だ。

 新設の理由・背景について、川口浩ドライバルク輸送品質グループ長は「当社では船舶情報管理システム『SIMS』や閲覧アプリケーション『LiVE for Ship manager』などを構築し、最適運航やエンジントラブル未然防止などに活用してきた」。

 「こうした革新的な技術ソリューションを含め、当社の知見は海事クラスターの諸課題解決にも役立つ。新たなビジネスになると思い、具現化した」と語る。

 同チームはドライバルク輸送品質グループに属すが、バルク部門に特化せず、さまざまな部署と連携していく。

 顧客となるのは国内外の海事クラスター全般。想定される事案は多岐にわたる。荷主を対象とした場合、港湾ターミナル拡張による輸送効率の向上が一例として挙げられる。

 「入港できる最大船型を大型化したい」などの要望に対し、同チームでは具体的な工程を見積もり、提案することができる。

 同チームには水路拡張など港湾の専門的な分野の博士号保有者も在籍。「入港可能な船型の大型化に向け、『水路の形状や深さを変えるべきか』『どの位の風力であれば船が安全に着けられるか』を分析・算出できる」(川口氏)

 過去にも郵船は横浜港・国際埠頭で入港するメキシコ塩輸送のバルカーの最大船型大型化を実現した実績がある。

 今後、東南アジアで港湾の新設が予定されていることから、こうした事案が増えることが見込まれる。

 また、現在、ドライバルクの分野では、荷主となる資源メジャーから要求される安全基準が強化されている。

 こうした動きに対応すべく、自社船員・海技者向けに船質改善を目的とした研修を実施しているが、これを船主などにも展開していく可能性があり、同チームが関与することも想定される。

■情報の交差点に

 チーム長を務める六呂田氏は当面の目標として、トラックレコード(実績)の構築と、社内外での認知度向上を挙げる。「早期に良い案件を形成し、認知度を高め、社内外での情報の交差点になるようにしたい」と語る。

 ドライバルク輸送品質グループを管掌する鹿島伸浩経営委員は「当社はいろいろと差別化の技術、ノウハウは持っており、社内活用してきた。この売れる商品群の外売りが視野に入ってきたので、その実現のための新チームを組織した」と説明。

 その上で、「同チームはこれまで培ってきた知見を生かし、新たなビジネスができそうだという機運の下、結成された。特定のミッションが課された上で、組織ができるのが通例だが、その成り立ちとは若干異なる。こうした柔軟なチームワークで組織運営ができることもアピールしたい」と強調した。

 技術ソリューション営業チームは計7人。六呂田チーム長、LNG(液化天然ガス)部門との兼任者1人、エネルギー業務グループとの兼任2人、郵船グループのMTIからの出向者2人、日本海洋科学からの出向者1人。

 ドライバルク輸送品質グループの人員は約30人。技術ソリューション営業チームのほか、安全対策や荷役効率化を担当するマリンチーム、ドックの手配など船質を担当するクオリティコントロールチーム、最適運航をサポートする最適運航チームなどで構成する。