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 印刷 2019年05月14日デイリー版1面

中古船市場/“勝ち組”、日本製BC購入。高品質船に割安感

 中古船市場で日本建造のバルカーの購入が活発化している。購入しているのは2018年1-12月期決算で黒字を出している勝ち組のドライ船社。ギリシャ船主も「船価安で仕込み、高値で売る」セオリーに徹し、中古バルカーに食指を伸ばしている。

 ドライ船を購入しているのは香港の不定期船大手パシフィック・ベイスン・シッピング(PB)など。今年に入りスープラマックスバルカー3隻を中古買船した。7月までに引き渡しを受ける。今回の買船により、同社の自社保有船は115隻に拡大する。PB以外でもギリシャ船主などが中古船の購入に積極的だ。

 英国の船価鑑定大手ベッセルズ・バリュー(VV)によると、4月末から5月上旬の2週間で日本製バルカー7隻の売買が報告された。中古船価の割安感を追い風にギリシャ以外でもノルウェー、トルコ、ベトナムの船主などが買船に動いており、伊ブローカーのバンケロコスタは「高品質の日本建造バルカーが依然として買い手を集めている」と指摘している。

 最近の成約ではトルコ船主が05年竣工の74型パナマックス1隻(名村造船所建造、日本船主保有)を830万ドルで購入。新鋭船ではギリシャ船主が16年竣工の61型スープラマックス1隻(新来島どっく建造、日本船主保有)を2300万ドルで買船している。

 英クラークソン統計によると、足元のバルカー中古船価(船齢10年)はパナマックス1400万ドル、ハンディマックス1350万ドル。用船市況下落を背景に昨年末に比べて50万-100万ドル下がっている。

 一方、新造船価はパナマックス2800万ドル、ハンディマックス2600万ドルと昨年末から横ばい基調が持続。今後は鋼材価格上昇やNOx(窒素酸化物)3次規制などのルール強化による押し上げ要因が見込まれる。

 VVの集計によると、年初から5月上旬までに売買された中古バルカーは154隻。このうち日本または日系ヤード建造が85隻と半数超を占めている。続いて中国製が56隻、韓国製7隻、台湾製3隻、ベトナム製2隻、デンマーク製1隻となっている。