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 印刷 2019年04月22日デイリー版1面

韓国造船/LNG船価、上昇基調。手持ち確保で採算重視。日本にも追い風

表・グラフ

 韓国造船大手のLNG(液化天然ガス)船の受注船価が上昇しつつある。昨年秋口には1億8000万ドルを割り込む安値成約が報告されていたが、年末にかけて底打ちし、今春には1億9000万ドル台の受注も出ている。資機材コスト上昇に加え、昨年のLNG船やコンテナ船の受注ラッシュにより一定の手持ち工事量を確保したことで、韓国ヤードが採算重視の営業戦略に転換。これまで船価面で劣勢に置かれていた日本造船所にとっても受注環境の改善につながりそうだ。

 「韓国大手ヤードは昨年、仕事量の確保のために無理をして受注していた面がある。企業体力回復のためにも、受注船価を引き上げようとしている」

 韓国造船所の動向に詳しい市場関係者はそう分析する。

 昨年、韓国大手3社はLNG船の受注を積極化。中国のLNG輸入拡大や北米シェール革命などを追い風とした船腹需要の高まりを受け、現代重工グループ、サムスン重工、大宇造船海洋の3社で61隻(FSRU〈浮体式LNG貯蔵・再ガス化設備〉含む)を成約した。

 ただ、受注船価は16年の2億ドル前後から下落し、17年夏-18年秋にかけて1億8000万ドル台前半に低迷。昨年秋口には1億7980万ドルの安値成約も報告された。

 一方、鋼材価格は17年後半から上昇基調が続いており、建造コストを圧迫。現代重工とサムスン重工は18年決算で各400億円規模の営業赤字を計上しており、今年の黒字転換に向けて、船価改善が待ったなしの状況だ。

 さらに今年3月、現代重工業が大宇造船海洋の買収を決定。邦船関係者は「プレーヤーの数が減ることで、船価相場の押し上げにつながりかねない」と警戒する。

 今年のLNG船の新造船市場は、カタールの60隻新造整備計画、モザンビークLNG、パプアニューギニアLNG拡張など大型商談が相次ぎそうだ。ここ数年、日本造船所は、韓国との船価差が開き、LNG船の受注が急減しているが、船価改善が追い風となる可能性がある。