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 印刷 2019年04月22日デイリー版1面

国交省海事局/モーダルシフト推進へ。情報検索システム、今夏にも本格運用。今年度から新たな表彰制度も

3月に開催されたモーダルシフト推進協議会
3月に開催されたモーダルシフト推進協議会

 国土交通省海事局は今夏ごろから、RORO船や旅客フェリー、内航コンテナ船などのモーダルシフト船の運航情報などの一括情報検索システムの本格運用を始める。システム本格運用開始後は、利用者向けPRや参加船社の増加のための方策(インセンティブ)などの活用策を進める。モーダルシフト推進に向けて取り組む「海運モーダルシフト大賞制度」については今年度から実施する方針だ。

 こうした方針は国交省が3月27日に同省内で開いた内航RORO船やコンテナ船、フェリー事業者、荷主企業などが参加する第3回「海運モーダルシフト推進協議会」で提起。出席者から了承が得られたので、このほど議事内容などが公表された。

 一括情報検索システムの基本コンセプトについては「海運の短期顧客を含め、今まで海運をあまり利用してこなかった者へ海運利用の最初の入り口として活用してもらうことを主眼」にしつつ、「長期顧客や普段の海運利用者に新しい経路の発見や活用につながる情報の提供を目的に、拠点間『ドア・ツー・ドア』の経路や運航情報などが網羅的に一括で検索できるシステムを構築すること」を挙げている。

 具体的には荷主企業などが海運による貨物輸送サービスを利用する場合、「海陸一貫輸送」となることから、海路だけの港間検索(ポート・ツー・ポート)機能だけでは不十分として、海路も含めた陸上の出発地(拠点)から目的地(拠点)までの拠点間検索機能「ドア・ツー・ドア」をメインに据えた。利用者が出発地、目的地などの拠点を入力することでそれに合致する海運を利用した複数のルートおよびそれぞれの経路の情報を提示するとした。

 検索結果での表示項目としては船種▽船社▽航路名▽乗下船港▽出発・目的地の発着時刻、曜日▽各区間別の所要時間、距離、CO2(二酸化炭素)排出量が必須情報として明示される。ただ、運賃情報、空きスペース、海路部分の遅延、欠航などの運航情報は、協議会の下の一括情報検索システム構築ワーキンググループでの意見を踏まえ、項目として設けない。ただ、検索結果などに各社が任意でそれぞれ情報を表示可能にするため、自由記述欄を設け記載できるようにした。

 一方で、利用運送事業者などの「輸送ルートの一部として海路部分を検討する場合に週単位の運航パターンを知りたい」というニーズや、情報提供する海運事業者が自社ルートの登録内容確認などのために、副次的な機能として「港間検索機能」も実装する。

 システムの活用に向けては、利用者向けに国交省、業界団体、各船社などのホームページへのリンク、バナーの設置▽海運、物流業界関係の展示会などへのデモなどの出展▽システムの視覚的な面での工夫を進め、サイト潜在率の向上を図る-といったPR策を推進。

 参加船社増加のための方策(インセンティブ)として、参加船社のバナーなどをトップページに提示▽参加船社にとって費用対効果がより高まるよう、検索結果の精度向上など継続的な機能面の強化▽利用者のルート検索情報などアクセス内容解析情報提供-などを行うとした。

■「革新性」「継続性」も基準に

 3月の会合では、今年度開始予定の海運モーダルシフト大賞制度の実施方針も示された。現在実施している「エコシップマーク認定事業者」(海上貨物輸送を一定以上利用してCO2削減に取り組んだ荷主・物流事業者を認定)の中で特に貢献した事業者に行っている優良事業者表彰(国交省海事局長表彰)を変更。従来の優良事業者表彰を維持した上で、特に貢献した事業者を1社ないし数社選定し、「海運モーダルシフト大賞」として表彰する。

 新たな表彰制度では競合会社同士の混載輸送や、船舶による新たな貨物品目輸送、新たな荷主・物流事業者の組み合わせといった「革新性」、継続的に取り組みを行っている「継続性」といった選定基準を新たに加える。表彰制度の運営は船社23社や日本長距離フェリー協会、日本内航海運組合総連合会、海事局内航課で構成するエコシップ・モーダルシフト事業実行委員会が行い、外部有識者、長距離フェリー協、内航総連、内航課による選定委員会が表彰対象を選ぶ。表彰は12月から来年1月にかけて行う。