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 印刷 2019年04月22日デイリー版2面

MariTech 海事未来図】日本財団試算/20年後の無人運航船、経済効果1兆円

 日本財団は18日、無人運航船が20年後にもたらす経済効果を年間約1兆円と試算した報告書「無人運航船がつくる日本の未来-Future 2040」を発表した。同日開いたセミナーで概要を説明した海野光行常務理事は「日本は無人運航船の開発で北欧と比べて技術面、環境面などで遅れている。オールジャパンで取り組む体制作りが急務」と述べた。

 報告書を取りまとめた「無人運航船がもたらす将来図にかかる検討委員会」(座長=夏野剛・慶応義塾大学特別招聘(しょうへい)教授)は、将来的な少子化や人口減少に伴う人手不足に対応しつつ、労働環境の向上を目指すため、さまざまな分野で無人化・自動化が進むと予想。船上で特にハードな仕事が要求されている海運分野では、デジタル技術の急速な発展と相まって、無人運航船が急速に普及していくとした。

 こうした前提の下、報告書では2040年に国内で航行する船舶の50%が無人運航船となり、国内では年間1兆円規模の経済効果が見込まれると明記した。

 このうち内航海運や内陸水運では、自動運転のトラックや無人航空機のドローンと連携することで輸送コストが削減されるだけでなく、運行頻度の増加にもつながるとしている。

 さらに、東京都市圏では船着き場や無人運航船の普及を通じて、水運が水辺空間の主役になるとした。報告書によると、40年の首都圏の水上輸送は、総運航便数1万8250便(17年度270便)、平均乗船率50%(同23%)、総乗船客数35万人(同2400人)まで規模が拡大するとしている。

 海野常務理事は、無人運航船の普及に向けて技術や法制度、データセキュリティー、リスク・保険といった課題を挙げた上で、「ベンチャーや他分野からの参入もある。データサイエンスと産業の連接点とし、若手人材を産業に巻き込んでいきたい」と語った。