電子版6つのNEW
 印刷 2019年04月22日デイリー版2面

強制水先検討会/川崎港、緩和見送り。海難発生時の影響大きく

川崎港での規制緩和について議論を重ねた検討会
川崎港での規制緩和について議論を重ねた検討会

 国土交通省が設置した「横浜川崎区の強制水先に関する検討会」(座長=落合誠一・東京大学名誉教授)は19日、川崎港の強制水先対象船(現行3000総トン以上)について、「規制緩和は行わないことが適当である」との結論を示した。港の状況から海難発生時の二次災害の影響が大きいことや、関係者のヒアリングで安全性を優先するべきとの意見があった。

 横浜港では2015年、強制水先の対象船を従来の総トン数3000トン以上から、1万トン以上(危険物積載船を除く)に緩和。川崎港でも同様に検討されていた。

 しかし、海難発生時の二次災害シミュレーション調査では、港内で海難事故が発生した場合の通航規制や岸壁損傷による影響が多大で、関係企業の事業継続に大きな制約が生じるとした。

 また同港の民間岸壁管理者5社や航行安全協議会のヒアリングでは、水先人が乗船しない船舶の岸壁損傷について懸念を示した。さらに、京浜運河では風の影響度によって一定の航海経験がある日本船籍の船長に強制水先の適用を除外する「実歴認定」がある。同認定を受けた船長でも、タグボートを利用している状況もあることから、規制緩和は安全面の影響がないことが前提との意見が出された。

 こうした状況を受けて検討会では、港内の輻輳(ふくそう)状態なども踏まえ、「安全性を確保していくこと必要」として強制水先対象船の規制緩和を見送った。