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 印刷 2019年04月15日デイリー版5面

日通総研「19年度の経済と貨物輸送の見通し(改訂)」/航空輸出、4年ぶり減へ。海上は輸出入ともプラス

表・グラフ 表・グラフ 表・グラフ

 日通総合研究所は3月末、「2019年度の経済と貨物輸送の見通し(改訂)」を公表した。19年度の国際貨物は航空輸出の対前年伸び率を前回公表値から大幅に下方修正し、4年ぶりにマイナスに転じる見込み。外貿コンテナ(海上)は輸出・輸入ともにプラスで推移する。国内貨物輸送は18年度比0・2%減と2年連続でマイナスとなる。以下、国内(概論だけ)、国際の各輸送動向を紹介する(読みやすさを考慮し、文意に影響しない範囲で語尾を修正した)。

 ▼国内貨物輸送〈表  1.〉

■19年度の総輸送量は0・2%減と小幅な減少

 18年度は、設備投資や個人消費が底堅く推移する中で、消費関連貨物および生産関連貨物が堅調に推移する。一方、住宅投資や公共投資の低迷を受け、建設関連貨物が大幅に落ち込んだことから、総輸送量は0・9%減と3年ぶりにマイナスに転じる。

 19年度は上期については消費増税前の駆け込み需要の発生が見込まれることから、総輸送量はいくぶん盛り上がる見通し。下期は反動減に加え、個人消費の低調などもあり、再び減少へ向かう。年度全体では0・2%減と小幅な減少を予測する。

 ▼品類別輸送量

 消費関連貨物は、上期については食料工業品や日用品などを中心に堅調な動きが期待できるものの、下期はマイナスへの反転が避けられないことから、全体では0・5%減と小幅な減少となる。

 生産関連貨物は、設備投資や輸出の減速などを背景に、一般機械の足踏みが避けられず。また、自動車・自動車部品、鉄鋼、石油製品などがやや低調に推移するとみられ、トータルでは1・0%減とマイナスに転換する。

 建設関連貨物は、東京五輪関連の需要が前年度で一巡するものの、住宅投資や公共投資が若干盛り返すことに加え、大規模オフィスビル建設などの継続もあり、砂利・砂・石材やセメント・生コンなどを中心に0・6%増とプラスへ浮上する。

 ▼輸送機関別輸送量

 JRコンテナは、前年度にあった大規模輸送障害の影響で大きく落ち込んだ反動増に加え、積み合わせ貨物などの堅調を受け7・2%増になる。JR車扱い(非コンテナ)は、大きなウエートを占める石油需要の小幅増を受け、0・2%増と微増に。JR全体では、5・1%増と2年ぶりのプラスとなる見通し。その他の鉄道は、石油、石灰石、セメントなどの減少により1・4%減を予測する。

 営業用自動車は、消費関連貨物が上期に増加するも下期に減少したことでトータルではほぼ横ばいで推移。生産関連貨物および建設関連貨物の増加に支えられ、0・5%増と底堅い伸びを示し、4年連続のプラスとなる。自家用自動車は、建設関連貨物が微増ながら、自営転換の動きに伴う消費関連貨物および生産関連貨物の不振などから1・9%減少する。

 内航海運は、公共投資の増加を受け、建設関連貨物には増加が予測される一方、石油や鉄鋼などの需要減を受けトータルでは0・2%減となる。

 国内航空は、宅配便の減少がおおむね一巡するとみられるが、引き続きマイナスは避けられない。災害の影響などにより大幅に落ち込んだ前年度の反動増が見込まれるが、2・6%減と低迷が続く。

 ▼国際貨物輸送

 ●外貿コンテナ貨物〈表 2.〉

■19年度の海上輸出は0・4%増と微増にとどまる

 18年度下期は、米中貿易摩擦や中国経済減速の影響により、上期から伸び率が鈍化。一般機械、電気機械などの機械類のほか、化学製品や古紙の荷動きも年明け以降に失速する。自動車部品については、ASEAN(東南アジア諸国連合)・米国向けは堅調に推移するものの、中国・EU(欧州連合)向けが減速する。

 19年度については、世界経済の減速感が強まり、伸び率は前年度を下回る。欧州向けは日欧EPA(経済連携協定)、ASEAN・墨加・豪州向けはTPP11(米国を除く11カ国が参加する環太平洋連携協定)発効による下支えが期待される。海外における設備投資需要の減速を受けて、建設機械、産業機械等などの一般機械の荷動きは増勢が鈍化する見込み。中国経済減速・米中貿易摩擦が長期化し、影響が拡大すると、輸送量は前年度割れの可能性もある。

 ■輸入は1・4%増とプラスを維持

 18年度下期は、上期に引き続きプラス基調で推移。食料品・衣類などの消費財の増勢が強まり、増加幅は上期から拡大する。設備投資の増加基調が継続し、一般機械、電気機械などの機械類、機械部品も堅調に推移する。

 19年度については、消費財は上期に消費増税前の駆け込み需要による押し上げが期待される。下期は増税後の反動・落ち込みが避けられないが、年度全体ではプラスを維持。設備投資の増加テンポが前年度から緩やかになり、生産用部材(機械機器、機械部品)の伸びは前年度を下回る見込み。

●国際航空貨物〈表 3.〉

■19年度の航空輸出は4・4%減と4年ぶりのマイナスに

 18年度下期は、アジア線が失速してマイナスに転換。欧州線は、1-3月期に前年度における大幅増の反動でマイナスとなるも、年度全体では2桁増に。太平洋線は下期も堅調に推移する。

 19年度については、主力のアジア線は中国経済減速や米中貿易摩擦の影響により、マイナス幅が拡大。欧州線は前年までの高水準の需要が一巡し、上期までは反動減が続く見込み。半導体関連(電子部品・製造装置)はAI(人工知能)・IoT(モノのインターネット化)・5G関連の需要拡大により、下期には持ち直す。ただし、中国向けは前年度上期までの大幅増の反動もあって、低調な荷動きが続く。自動車部品はEV(電気自動車)シフト・電装化関連の新規需要が継続し、堅調に推移。アジア線における半導体製造装置は、海上シフト進展による下押しの可能性も。中国経済減速・米中貿易摩擦が長期化し、影響が拡大すると、さらに大幅なマイナスに。

■輸入は0・1%増と前年度並みの水準に

 18年度下期は、食料品・衣類などの消費財の荷動きが失速し、前年度割れに。生産財(部品、部材類)は、設備投資がプラス基調を維持するも、上期から増加テンポが減速するため、荷動きは鈍化する見込み。台風21号による関西国際空港被災の影響も大きく、年度全体の伸び率は前年度から大幅に低下する。

 19年度は、消費財については、上期に消費増税前の駆け込み需要による押し上げ効果が見込まれる。生産財は、輸出企業を中心に設備投資の減速が続き、増勢が鈍化。上期は前年度の空港被災からの反動増も期待されるが、下期は消費増税後の反動・落ち込みによるマイナスが避けられず、年度全体では前年度並みの水準にとどまる見込み。

 ●企業物流短期動向調査(速報)〈表 4.〉

 企業物流短期動向調査は、3月初旬に荷主企業15業種約2500社(製造業13業種、卸売業2業種)を対象に、1-3月実績見込みと4-6月見通しの「荷動き指数」(荷主の回答割合で「増加」から「減少」を引いた数値)について実施。789社からの回答を基に速報をまとめた。

 ▼国内向け出荷量

 1-3月実績の国内向け出荷量「荷動き指数」は、前期(18年10-12月)実績から15ポイント低下してマイナス6に。4-6月見通しではマイナス4と2ポイント上昇する見込みながら、予断を許さない。

 ▼業種別

 1-3月実績の業種別「荷動き指数」は、輸送用機械、窯業・土石など4業種がプラス、精密機械がゼロ水準で、残り10業種がマイナスに。4-6月見通しではプラスの業種は引き続き4業種ながら、8業種において低下する見込み。

 ▼輸送機関別

 1-3月実績の輸送機関別「利用動向指数」は、鉄道コンテナ以外の5輸送機関で前期実績よりも低下の動きがみられ、全輸送機関においてマイナスに。4-6月見通しでは2輸送機関において上昇する見込みながら、引き続き全輸送機関で「利用動向指数」はマイナスに。

 ▼輸出入貨物量

 1-3月実績の輸出入貨物量「荷動き指数」は、全輸送機関で前期実績よりも低下の動きがみられ、全輸送機関においてマイナスに。4-6月見通しでは引き続き全輸送機関で低下が見込まれ、「利用動向指数」はマイナスとなる。

 ▼在庫量・営業倉庫保管量

 1-3月実績の在庫量・営業倉庫保管量「動向指数」は、全分野で前期実績より大幅に低下。4-6月見通しでは、原材料在庫量で横ばい、製品在庫量において上昇、営業倉庫保管料では低下の見込み。総じて小幅な動きに。

 ▼トラック運賃

 1-3月実績のトラック運賃・料金「動向指数」は、内航コンテナ・RORO船および倉庫保管料で前期実績から横ばいで推移する一方、その他の4機関では低下した。4-6月見通しでは、国内航空において低下する一方、その他の機関では上昇の見込み。一般トラックでは「動向指数」がプラス46、特別積み合わせトラックではプラス43と、大幅に上昇する見通し。