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 印刷 2019年04月15日デイリー版2面

三菱重・川崎重/潜水艦増勢に対応。建造・修繕設備拡張

 海上自衛隊の潜水艦が22隻体制に増強されることを受け、建造や修繕を担う三菱重工業と川崎重工業がドックなどの拡張を進めている。両社はすでに防衛省の2017年度と18年度予算で計2隻の新造整備が決定した、3000トン型潜水艦を1隻ずつ受注している。艦の大型化と隻数の増加に工場設備を対応させることで、潜水艦部隊の効率的な運用を支える。

 三菱重工は今年2月、神戸造船所(神戸市)に着座式の浮きドック(長さ100メートル、幅20メートル)を建設した。潜水艦の修繕用で、浮上状態での安定性を確保するため、陸上構造物の突起部に着座させることが可能な構造となっている。

 同社は3000トン型潜水艦の1番艦(29SS)を18年3月に455億円で成約した。同艦は動力源にリチウムイオン蓄電池を採用し、水中持続力や速力の向上を図っている。また、探知性能を上げるため、新型のソナーシステムを装備する。

 川崎重工は13年度から19年度にかけ、神戸工場(神戸市)に150億円規模の設備投資を行っている。

 第4修繕ドック(長さ215メートル、幅34メートル)を掘り下げて船体の大型化に対応するとともに、中間ゲートを設置して2隻同時に整備を実施できるようにした。

 さらに岸壁の浚渫を行い、同時に接岸できる隻数を増やした。併せて、増員が予想される潜水艦乗組員向けの宿舎や食堂、会議室などを備えたドックハウスの建て替えも行っている。

 同社もリチウムイオン蓄電池を搭載する3000トン型潜水艦の2番艦(30SS)を18年12月に433億円で受注している。リチウムイオン蓄電池の充電を行う施設の建設も、今年秋の完工を目指して進められている。

 防衛省は19-23年度の装備品の見積もりを定めた「中期防衛力整備計画(中期防)」に潜水艦5隻の新造を盛り込んだほか、29SSを試験潜水艦に種別変更することを計画している。